

労働組合活動を「恐喝」とした検察の控訴を大阪高裁が全面棄却
全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部(関生支部)の湯川裕司委員長らに問われていた恐喝罪等の控訴審判決(京都事件)が大阪高等裁判所で言い渡され、飯島健太郎裁判長は検察側が行った控訴を全件棄却しました。これにより、被告人全員を無罪とした一審・京都地裁の判決が全面的に維持される結果となりました。
本件は、ストライキの実施や労使協議を通じた解決金の請求など、正当な組合活動を警察・検察側が「企業恐喝」や「強要」にあたるとして起訴した事件です。一審の京都地裁はこれらを労働組合の正当な行為と認めて無罪を言い渡していましたが、検察側が判決を不服として控訴していました。しかし、大阪高裁は検察側の主張や論難のいずれも採用の余地がないと判断し、一審判決を全面的に支持しました。


事前集会で共有された捜査批判と闘争継続の決意
判決言い渡しに先立って行われた事前集会には、雨模様の悪天候の中、多くの支援者や組合員が駆けつけました。控訴審において検察側の追加証拠請求がすべて排斥されていた経緯から、参加者の間では無罪維持に対する期待が高まっていました。
集会での発言では、関西生コン支部細野書記長から、本来であれば労使間で合意・解決していた事案を、数年が経過してから警察や検察が意図的に掘り起こして事件化し、長期勾留や組織切り崩しを図った捜査手法に対する強い抗議の声が上がりました。また、京都事件にとどまらず、滋賀や大阪など他地域で言い渡されている不当な有罪判決に対しても、労働法に基づかない不当な判断であると批判がなされました。無罪を勝ち取った後も、組織の拡大と連帯の旗を取り戻すために全力を尽くすという固い決意が共有されました。

「奪われた時間」と自力での組織再建への姿勢
判決後に開かれた報告集会では、弁護団から主文の公訴棄却が伝えられた後、湯川裕司委員長が登壇し、無罪維持という結果を受けた深刻な胸中を詳細に語りました。
湯川委員長は、組織の代表として万が一の不当判決に備えて内部体制の見直しまで想定していたことを明かし、無罪が維持されたことへの安堵感を口にしました。しかし、同時に「素直に喜びきれない」という厳しい心情を吐露しました。その理由として、他の事件で不当に有罪判決を受けたり刑が確定して苦しんでいる仲間が依然として存在すること、そして大津事件など自身が有罪とされた裁判もあることを挙げました。
さらに湯川委員長は、裁判で無罪を獲得したとしても、弾圧を受けた時点から自分たちの時間は止まってしまっており、その奪われた時間は金銭補償等で決して返ってくるものではないと強調しました。捜査機関やマスコミによって反社会的勢力・暴力団と同等のように扱われ、組織が被った巨大な損害や名誉の毀損は計り知れないと不当性を訴えました。また、正当な産業別労働組合を「企業恐喝」に見立てて事件化する警察の組織犯罪対策部門の構造や、天下り先の確保目的とも思える捜査機関の姿勢を強く批判しました。人権を抑圧する司法や警察のあり方を批判しつつ、警察や検察に謝罪を求めるのではなく、自分たちの手で組織を回復・再建させていくという強い決意を表明しました。
韓国・全国建設労働組合の代表団による熱い国際連帯アピール
集会後半には、2002年から全日本建設産業労働組合(全日建)と共同で連帯活動を行ってきた韓国の全国建設労働組合の代表団が登壇し、国際連帯のアピールを行いました。
韓国の代表者は、関西生コン支部に対する激しい弾圧に続き、韓国においても建設労働者に対する深刻な労働弾圧が巻き起こったという共通の経験に触れました。そのうえで、日本の労働組合が弾圧を乗り越えられるよう、韓国国内でも深い関心を持って抗議行動を展開してきた経過を報告しました。具体的には、ソウルの日本大使館前での弾圧抗議記者会見の実施、無罪獲得と支援を掲げた「認証ショット(アピール写真)」運動の展開、さらには韓国国会内で両国の労働弾圧の実態と不当性を告発する日韓国際シンポジウムの開催など、多角的な支援に取り組んできたことを明かしました。
代表者は「これからも日韓両国の労働者たちがともにこの弾圧を克服し、連帯と希望を未来へつないでいきましょう」と呼びかけ、最後は韓国の労働運動のスタイルである「闘争(トゥジェン)!ファイト!」の掛け声とともに締めくくり、会場から大きな拍手と声援が送られました。

警察庁への抗議行動方針と広がった支援の訴え
集会では、全日建本部より「謝れ・償え・二度とするな」を掲げ、労働組合活動を事件化して功績とした「警察庁長官賞」の撤回・返納を求める東京での警察庁前ハンスト行動方針が発表されました。
また、国会でこの事件を取り上げてきた大椿ゆうこ前参院議員(社民党)も登壇し、相次ぐ無罪判決の事実を不当捜査を行った警察側へ突きつけ、責任と反省を厳しく追及していく姿勢を示しました。








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