野村修也弁護士に対する懲戒処分の支持と、不服申し立てに抗議する声明

2018年7月20日

住民自治を壊す大阪“維新”市政を許さない会
なかまユニオン・大阪市職員支部
懲戒処分請求代表:矢野 幸一

私たちは、橋下徹前大阪市長から、「労使関係に関する職員アンケート」の実施を依頼され、作成にあたった野村修也弁護士が、違法な設問を多く設けたことは、弁護士としての品位を失うべき非行に相当しているとして、2012年2月24日に第二東京弁護士会に対して、弁護士法第56条に基づき懲戒請求を求めてきた。
そして、第二東京弁護士会の綱紀委員会と懲戒委員会が調査を行い、2018年7月17日、職員の団結権、プライバシー権、政治活動の自由の侵害等、憲法や労働組合法に違反する内容が含まれていたと認定され、「基本的人権を侵害し、弁護士の品位を失うべき非行に該当する」と判断され、業務停止1カ月の懲戒処分が行われた。
私たちは、今回の第二東京弁護士会の判断を支持するとともに、このような法に背くような行為が、大阪市を含む行政によって二度と行われないことを切望するものである。

そもそも、この調査は、大阪市の全職員3万人を対象に、22問に亘るアンケートが作成され、2012年2月10日~16日に実施された。
しかし、そのアンケートは、憲法や労働組合法に違反する設問が殆どであった。
例えば、組合活動への参加の有無(Q6)や組合への加入の有無(Q16)、組合加入のメリット(Q17)、組合に加入しない(脱退する)ことによる不利益(Q19)、組合に対する評価(Q18,21)に関する設問があり、これらは団結権を保障した憲法第28条及び使用者の支配介入を禁じた労働組合法第7条に反する、違憲・違法な内容であった。
また、街頭宣伝に参加したり、誘われたことがあるかどうか(Q7)や他の職員から投票依頼を受けたことがあるかどうか(Q8)などについて聞いており、これらは職員個人の思想・良心の自由を保障する憲法第19条に反する、違憲な内容であった。
しかも、これは橋下徹前大阪市長の業務命令の形式で出され、回答が正確でない場合や回答しない場合には処分を行うということまで言明されていたものであった。(裏面参照)

野村弁護士は、処分を受けてなお、「市役所という権力機構の内部を調査する過程で起きたもので、市民の権利を侵害したものではない」「当時、職員の不祥事が多発していたこともあって、調査は有益かつ必要なものだった」とコメントし、日本弁護士連合会に不服を申し立てる考えを明らかにしている。
しかしこれは、大阪府労働委員会が「(組合活動への)支配介入に該当する恐れがある」と調査の一時停止を勧告し、大阪市が調査を凍結して、アンケートを未開封のまま廃棄した事実や、2015年12月16日に、市職員や労働組合が提訴した大阪市に対する国家賠償請求事件が、大阪高裁判決で確定した判断を、改めて棄損することであり、断じて許すことはできず、抗議するものである。

今回の顛末を報道したマスコミ各社の記事内容やテレビ報道にも、「職員の不祥事を調べる第三者調査チーム」という表記や、野村弁護士の言い分をそのまま載せるなどの問題があったので、その点については改めて記事の訂正を求めていきたい。

私たちは、本調査の実施を大阪市の特別顧問であった野村修也弁護士に委託し、公権力を用いて職員の思想調査を強制した、橋下徹前大阪市長の政治姿勢こそが断罪されたのだということを、改めて確認する。
そして、民主主義を破壊する大阪“維新”市政の暴挙を止めていく闘いを、今後も進めていく決意である。