コロナ禍ではありますが、辞められないという相談もしばしば寄せられます。職業選択の自由があり、奴隷的拘束の禁止が憲法で定められているように、期間の定めのない労働契約は、基本的にいつでも自由な意思で仕事を辞められます。会社の承認は必要ありません。「退職届は3カ月前に出すこと」というような規制をする例もありますが、合理性のない不当に長期の定めは無効です。民法は、「雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。」(628条1項)と定めていますが、話し合いによってもっと早期に辞めることは可能です。次の文章は、「もう、明日から出勤したくない」と相談を受けた事例を報告してもらいました。
決まった休みがない
私は、中堅飲食チェーン店で4年近く働いていました。遠方から正社員で入社したのに、アルバイトに降ろされて、シフトも勝手に作られていました。月に休みがないのが普通で、「休みが欲しい」と店長に言うと「雇われているのに偉そうなこと言うな」「自分が休みを左右するな」などずっと言われ続けて、さすがに心が折れてしまってました。
体調が悪い時にも、「体調管理できていないなら邪魔」「そんなのは自分が悪い」など言われて休みにしてもらえず、他店舗にヘルプに行かされていました。シフト上、朝から夜と書いてあり、休みがいつ取れるかわからず、突然「明日休み」と前日に言われたり、7時間勤務のはずですが、お客さんが少ないと「今日は早く帰れ」と帰らされることもありました。正直、プライベートも作れないって思ってました。
祖父が亡くなった時も「3日で帰って来い」「お前に関係ないだろ」。心の整理をつけたくてもう2日休ませてほしいと言うと「知らんわ。帰ってこい」と言われ、大阪まで帰ってきて、そこから休みがなく働かされ、今年の1月に倒れてしまいました。しかし、熱や頭痛で働けなくなっていて電話をすると無視され続け、仕事では冷たくされました。
「人がいない」と断られ
限界が来て「辞めたい」と相談をすると、「人がいない」などと言われ、それなら、「車の免許を取りたいから休ませてくれ」と言うと「お前に必要ない」「車もないのに必要か?」など言われ、全否定され続けていました。
他のアルバイトはよくて自分だけそういう扱いにされ、なんだこの差別はと思い、ネットで検索し「なかまユニオン」を探し、電話をして相談しました。
「すぐ辞めたい」
「すぐ辞めたい」と相談すると、組合の人に「辞められます」と言われて、初めは「え、明日から行かなくていい?」など半信半疑でしたが、退職届と残っていた20日分の有給休暇を全部取得する有給休暇届けを書いて、その日のうちに会社に送ってもらいました。
2日後、会社から「全部認める」とFaxが届き、びっくりしました。
今ではようやく落ち着くことができ、一段落できています。あの時本当に辞めなかったら、今年も休みがなく倒れていたと思います。さすがに自らの命に代えられないので、とても良かったと感じております。
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