10月23日、大阪高裁で東リ偽装請負事件第2回控訴審が開かれた。この裁判では「この件は実態がどうだったかということが大事」という重要な発言が裁判長からあった。偽装請負の実態解明に向けて希望を見出せる言葉であった。
被控訴人東リは裁判期日直前に、前回の裁判で裁判長から出された求釈明以外に、二部の準備書面を立て続けに提出してきた。私たち控訴人の弁護団の見解によると、被控訴人側は結審に持ち込むのが目的だろうということだ。
それに対し控訴人側は証人尋問を実現し偽装請負の実態に迫る実質審理を行っていただきたい。控訴人側から出している人証申請は3名である。控訴人から1名出るのは言うまでもないが、特に一審では採用されなかった東リ伊丹工場製造課の巾木工程担当スタッフは、現場で控訴人ら請負従業員に直接指揮命令をしていた人物であり、偽装請負の実態を明らかにするために尋問は必要だ。しかし、彼が証人尋問に出るか出ないかは、あくまでも被控訴人東リ側の判断であり、控訴人の証言に反証が必要であればというものだ。私たち控訴人側は反論が必要であると思わせる事実を突きつける必要がある。
この重要な場面を迎え、これから陳述書等、入念に準備をしなければならない。裁判長の「実態がどうであったかを人証で補充するなら聞きたいと思う。」の言葉もあり、流れは証人尋問を行う方向に進んでいるが、証人尋問が行われるかどうかは次回期日に決まる。
次回期日12月18日(金)15時