本日、全東リなかまユニオンと「勝たせる会」は、新年第1回目となる宣伝行動を東リ本社前で行った。
仕事帰りの労働者は、多くの方が宣伝チラシを受け取った。
チラシは、以下のような内容である。
東リは、5人を就労させよ!
偽装請負を告発したら職場から追放!
2017年3月末のこと、巾木工程と化成品工程で働いていたライフイズアート社の従業員5人が、職場から追い出される事件がありました。当時、伊丹工場の長森工場長が、3月末でのライフ社との業務契約の打ち切りを決め、ライフ社の全従業員を別の派遣会社シグマテックへ移籍させようと画策していました。
しかし、ライフ社の従業員で立ち上げた労働組合の組合員4名が、東リに対し、伊丹工場での働き方が偽装請負であるとして直接雇用を求めたところ、その4名と組合執行委員長が、移籍先のシグマテックから不採用とされてしまいました。当時、伊丹工場で働くライフ社の従業員は19名いましたが、そのうち組合員は16名でした。シグマテックの採用面談直後、どういうわけか、申し合わせたように一斉に11名が組合を脱退し、組合に残された5名のみが不採用になり、脱退者と非組合員の14名は全て採用されたのです。
裁判所は5人を東リの従業員として認定!
東リを追い出された5人は2017年11月14日、労働者派遣法40条の6「労働契約申込みみなし制度」に基づいて、東リを神戸地裁へ訴えました。同制度によれば、違法派遣・偽装請負を受け入れている企業は、その状況下にある労働者に対して、労働契約を申し込んだとみなされ、その申し込みを労働者が承諾すれば労働契約が成立すると規定しています。5人はその承諾を行ったことにより、東リと雇用関係にあるとして裁判を始めました。2021年11月4日、大阪高裁は、東リが脱法の意図を持って5人を偽装請負状態で働かせていたと認め、「労働契約申込みみなし制度」を適用し、5人が東リと雇用関係にあると認定しました。それに対し、東リは判決を不服とし、最高裁へ上告及び上告受理申立を行っていましたが、昨年6月7日、最高裁は上告を棄却、上告審として審理しないことを決定し、5人は東リの従業員であることが確定しました。
最高裁の決定にもかかわらず、5人の就労を拒否する東リ
しかし、最高裁の判決確定から半年以上経った今も、東リは5人に対し、人員充足を理由として、就労させることを拒否し、自宅待機を強いています。実際には労働契約成立により、会社は5人に一部賃金の支払いをしています。であるならば、その賃金の支払いが無駄にならないように、その間に研修やOJTによってスキルアップを図れば、本格的に就労が可能になった時に、即戦力として業務に携わることができるはずです。しかし、会社はそれすら行おうとぜず、未だ社員としてのICカードも発行せず、5人を社内に立ち入らせようとしません。その理由は5人が東リ労働組合以外の組合員であるからと考えられます。5人は全東リなかまユニオン(旧名:L.I.A労働組合)の組合員です。
これまで組合は会社と団体交渉を4回行ってきましたが、会社は責任ある立場の役職者を出席させず、何の権限も無い連絡担当者の出席のみという団体交渉の趣旨を逸脱した不誠実な対応に終始しています。
また就労や労働条件等の組合要求に対して、会社はひたすらゼロ回答を続け、とりわけ労働条件については、正社員との差別的な処遇を押し付けようとしています。これは現在の均等・均衡待遇の流れに反するもので、到底受け入れられるものではありません。
東リで働く皆さん、5人が同じ東リの労働者として就労できるように力を貸して下さい。会社は自社HPにおいて「司法の判断を真伨に受け止め、より一層のコンプライアンス向上に努めてまいります」と述べながら、実際は最高裁の決定や兵庫労働局の就労を促す助言を軽視しています。
皆さんは裁判所や行政の
判断に抵抗する会社の姿勢を支持できますか?