偽装請負・違法派遣許さない(東リ事件)

金銭解決ありえない 東リ社でビラ

 2月7日、全東リなかまユニオンと「就労を求める全東リなかまユニオンを勝たせる会」は、東リ㈱本社前で宣伝行動を行いました。宣伝行動の妨害のためか、総務部社員が3名~4名「交通の整理」として門前に現れましたが、抗議すると引っ込み、守衛さん一人が「交通整理」をしていました。普段は絶対やらないことです。配布したチラシの内容は、以下のようなものです。

 

東リは、5人を就労させよ! 金銭解決は絶対認めない !

偽装請負を告発したら職場から追放!

2017年3月末のこと、巾木工程と化成品工程で働いていたライフイズアート社の従業員5人が、職場か
ら追い出される事件がありました。当時、伊丹工場の長森工場長が、3月末でのライフ社との業務契約の
打ち切りを決め、ライフ社の全従業員を別の派遣会社シグマテックへ移籍させようと画策していました。
しかし、ライフ社の従業員で立ち上げた労働組合が、伊丹工場での働き方が偽装請負であるとして全従業員の直接雇用を求めるため、まず組合員4名が先行して労働者派遣法40条の6「労働契約申込みみなし制度」に基づき承諾通知を東リに送ったところ、その4名と組合執行委員長が、移籍先のシグマテックから不採用とされてしまいました。当時、伊丹工場で働くライフ社の従業員は19名いましたが、そのうち組合員は16名でした。シグマテックの採用面談直後、どういうわけか、申し合わせたように一斉に11名が組合を脱退し、組合に残された5名のみが不採用になり、脱退者と非組合員の14名は全て採用されたのです。

裁判闘争は5人の完全勝利・東リの従業員として認定!

東リを追い出された5人は、2017年11月21日、労働者派遣法40条の6「労働契約申込みみなし制度」に基づいて、東リを神戸地裁へ訴えました。同制度によれば、違法派遣・偽装請負を受け入れている企業は、その状況下にある労働者に対して、労働契約を申し込んだとみなされ、その申し込みを労働者が承諾すれば労働契約が成立すると規定しています。5人はその承諾を行ったことにより、東リと雇用関係にあるとして裁判を始めました。2021年11月4日、大阪高裁は、東リが脱法の意図を持って5人を偽装請負状態で働かせていたと認め、「労働契約申込みみなし制度」を適用し、5人が東リと雇用関係にあると認定しました。それに対し、東リは判決を不服とし、最高裁へ上告及び上告受理申立を行っていましたが、昨年6月7日、最高裁は上告を棄却、上告審として審理しないことを決定し、5人は東リの従業員であることが確定しました。

最高裁の決定にもかかわらず、5人の就労を拒否する東リ

しかし、最高裁の判決確定から半年以上経った今も、東リは5人に対し、人員充足を理由として、就労
させることを拒否し、自宅待機を強いています。これまで組合は会社と団体交渉を5回行ってきました
が、会社は責任ある立場の役職者を出席させず、何の権限も無い連絡担当者のみの出席という団体交渉の趣旨を逸脱した不誠実な対応に終始しています。その中で会社は、今年1月19日に行われた第5回団体交渉において、就労時期や就労条件等の組合の要求事項を無視し、冒頭から金銭解決を切り出すという、許し難い暴挙に出ました。これに対し組合は金銭解決を認めず、断固として5人の就労を要求しています。
そもそも「労働契約申込みみなし制度」は、労働者を保護するために、違法派遣・偽装請負を受け入れ
ていた企業に罰則として直接雇用を課すものですが、これに対し会社は、違法行為への反省と謝罪の気持ちが全く無く、それどころか法律の趣旨に反して、再び5人を会社から排除しようと目論んでいます。
東リで働く皆さん、5人が同じ東リの労働者として就労できるように力を貸して下さい。会社は自社HP
において「司法の判断を真伨に受け止め、より一層のコンプライアンス向上に努めてまいります」と述べながら、実際は最高裁の決定や兵庫労働局の就労を促す助言を軽視しています。皆さんは裁判所や行政の判断に抵抗する会社の姿勢を支持できますか?
全東リなかまユニオンは、東リで働く労働者であれば、雇用主に関係なく、誰でも入れる労働組合です。

タイトルとURLをコピーしました