
6月12日、なかまユニオンは技術系派遣会社テクノプロとの間で、労働条件の改善や大幅賃上げを求める春闘団体交渉に臨みました。物価高騰が常態化し、実質賃金の低下から従業員の生活基盤が揺らぐ中、現場の切実な声を届ける重要な局面であるにもかかわらず、会社側は極めて異例かつ不誠実な布陣で交渉の席に現れました。私たちは、会社の姿勢を厳しく追及するとともに、エンジニアの正当な権利を守るための要求を突きつけました。
三宮で幕を開けた緊迫の団体交渉
今回の団体交渉は、本日14時より三宮センタービル西館の会場にて開催されました。
私たち組合側は、日頃から現場で過酷な労働に耐え、会社の利益を支え続けているエンジニアたちの声を代表し、生活水準の向上と正当な分配を求めるべく、確固たる決意を持って臨みました。交渉は冒頭から、会社の姿勢を巡って非常に緊迫した空気に包まれる展開となりました。
本社人事総務が「全員不在」という驚くべき不誠実
春闘の団体交渉といえば、労働者の賃金や人事制度、そして原資の配分といった経営の根幹に関わるテーマを話し合う公の場です。当然、それらの決定権や提案権を持つ本社の「人事総務部」の責任者が出席するのが労使交渉の常識です。
しかし驚くべきことに、本日の交渉席には本社人事総務の関係者が「誰一人として」姿を見せませんでした。会社側として出席したのは、現場の評価しか行えない近畿圏の統括部長と神戸支店長とコンプライアンス担当のみという、到底「交渉」とは名ばかりの、決定権を持たないメンバーばかりだったのです。これでは労働者側がどれだけ切実な訴えを響かせても、その場で何一つ判断を下すことができません。会社が春闘という枠組みをいかに軽視しているかが、この出席者の選定から透けて見えています。
春闘交渉に「弁護士2名・CSR担当2名」の異常な大群
人事責任者を完全に排除する一方で、会社側はさらなる異様な警戒態勢を敷いてきました。なんと、春闘の賃上げ交渉の場に、代理人弁護士2名と、CSR(コンプライアンス)担当者2名という、合計4名もの「ガードマン」を同席させてきたのです。
ハラスメントや解雇事件といった、個別の法的紛争を争う場であれば弁護士の同席も理解できますが、純粋な経済闘争である「賃上げ交渉」にこれほど多くの弁護士やリスク管理担当者がしゃしゃり出てくるのは、労働運動の歴史を見ても異常極まりない事態です。会社は、労働者と誠実に膝を突き合わせて未来の労働条件を語るのではなく、最初から「法的リスクの管理」や「組合の抑え込み」を目的に、この団交を乗り切ろうという魂胆であることが明白です。
私たちの正当な要求と、ゼロ回答を並べる会社側の冷淡な態度
組合側は、生活を守り、これまでの貢献に見合う処遇を求めて4つの要求を突きつけましたが、会社側は事前に提出してきた「回答書」の通り、極めて冷淡な拒絶姿勢に終始しました。
要求①
4月から時給を42%引き上げること、およびチャージ(派遣単価)の7割を賃金として支給すること
現在、派遣先から会社に支払われているチャージは時間あたり5,100円(S時は4,200円)にまで上昇しています。私たちは、この5,100円の7割を直接賃金として還元すべきだと主張しました。
【会社の回答】:「応じかねる」の一点張り
会社側は「従業員間の給与のバランスを踏まえる必要がある」と言い訳し、要求を拒否。さらに、2025年7月の人事考課で最高ランクの「S」評価(上位10%目安)を受け、月額16,458円の昇給となった実績を持ち出し、「これで十分だと言わんばかり」の態度でこれ以上の還元を拒みました。昇給はあくまで7月であり、人事評価に基づく報酬レンジの範囲内でしか考えないという硬直した姿勢です。
要求②
チャージが上がった2024年6月以降の補填分の支払い
【会社の回答】:当然のように拒絶
上記時給引き上げの拒否に伴い、過去の引き上げ分に対する補填金の支払いについても一顧だにせず、拒否してきました。
要求③
定年年齢を65歳まで引き上げること
高年齢者の雇用安定が叫ばれる中、働く意欲のある労働者が安心して長く働ける環境作りは企業の責務です。
【会社の回答】:「検討を要する」として現状維持方針
会社は「人事制度全体や処処遇体系への影響が大きい」とし、現行の「定年60歳+65歳までの継続雇用制度(再雇用)」を当面維持する方針を変えようとしません。再雇用による労働条件の低下を容認し、定年そのものの引き上げという抜本的改革から目を背けています。
要求④
ユニオンへの社員連絡先の開示(他組合と同等の扱い)
【会社の回答】:「開示できない」と対話を制限
対象者からの書面による同意がない限り応じられないとし、組合の組織拡大や広報の機会を実質的に狭める回答を行いました。
「経営が判断する」と言い張り、のらりくらりと対話を拒む弁護士ら
組合側は、「なぜ賃上げの交渉に人事が来ず、弁護士ばかりが喋るのか」「神戸支社のメンバーだけで給与の何が決まるのか」と厳しく詰め寄りました。
これに対し、同席した弁護士らは「窓口は我々だ」「組織である以上、持ち帰るのは当然」「最終決定は経営陣が行う」といった官僚的な言い訳に終始しました。他組合との交渉にはしかるべき人事の肩書きを持った者が対応しているにもかかわらず、なかまユニオンに対しては、まるで「トラブル対応」かのような防衛線を張り、対等な労使対話を拒絶する差別的な姿勢を崩しません。
利益の「正当な還元」を!売上と賃金の乖離を示すデータ提出の宿題を課す
このような不誠実な体制に対して憤りを禁じ得ませんでしたが、組合側はエンジニアの生活を守るため、実質的な追及を続けました。
現在、世間は賃上げの潮流にあり、派遣業界においてもエンジニアの市場単価(チャージ)は確実に上昇しています。それにもかかわらず、私たちの定期昇給やベースアップは低く抑えられ、会社の売上伸び率と、社員への還元との間に大きな「乖離」があるのではないかという強い疑念があります。
私たちは、会社の利益だけが不当に膨らみ、現場のエンジニアが搾取される構造を是正するため、過去数年間の売上推移や、主要支店(神戸支店等)における平均単価・賃金伸び率の具体的なデータを速やかに開示するよう強く要求しました。会社側はのらりくらりと「申し入れ書(書面)」での再要求を求めてきましたが、私たちはこの実態解明を次回の宿題事項として明確に引き取らせています。
労働者を愚弄する態度を徹底糾弾!出るとこへ出る覚悟で闘う
交渉の終盤には、会社側出席者の態度(労働者の真剣な訴えを前にした、緊張感を欠く姿勢)を巡って激しい口論が巻き起こる一幕もありました。誠意の欠片も見られない会社側の物言いに、組合側の怒りは頂点に達しました。
今回の団交を通じて明らかになったのは、テクノプロという大企業が、現場を支えるエンジニアの労働条件向上に対して、どれほど後ろ向きで、冷淡であるかという事実です。形だけの弁護士を並べて盾にし、労働者の正当な要求をはねのけられると思ったら大間違いです。
なかまユニオンは、今回の会社側の不誠実極まりない交渉姿勢を断じて許しません。すでに労働局へのしかるべき手続き(ADR等)も含めた段階的な対抗措置を視野に入れており、「出るとこへ出る」覚悟はとうにできています。エンジニアの皆さん、会社のこの理不尽な態度に抗い、正当な権利と豊かな生活を勝ち取るために、これからもなかまユニオンと共に団結して闘っていきましょう!






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