春闘

2026年非正規春闘が始動——「10%以上の賃上げ」と「普通に食べられる生活」を求め、35労組が結集

2026年2月2日(月)、ナショナルセンターの枠を超えて結集した35の労働組合で構成される「非正規春闘実行委員会」は、2026年春闘の開始を宣言しました。午前中の企業前行動・経団連要請行動から、午後の記者会見、そして夕方の「賃上げ相談ホットライン」開設まで、非正規労働者の生存権をかけた一日が展開されました。なかまユニオンもネットを通じて会見に参加しました。

経団連前行動:要請書すら受け取らぬ「門前払い」への憤り

午前11時30分、実行委員会は日本経済の司令塔である経団連に対し、加盟企業への賃上げ指導を求める要請行動を行いました。しかし、経団連側は入口に警備員4名を配置し、スクラムを組んで要請書の受け取りすら拒否。

これに対し、東京東部労組の菅野存氏は、「経団連加盟企業を現場で支えているのは一体誰なのか。誰のおかげで600兆円もの内部留保をため込むことができているのか。労働者を社会的な敵対勢力のように扱う不誠実な対応に屈することなく声を上げ続ける」と激しい抗議の声を上げました。

26春闘方針:3年連続「10%以上」の賃上げと「シフトカット」阻止

13時から行われた記者会見では、今春闘の具体的な方針が示されました。実行委員会は、昨年の144社・10自治体との交渉実績を土台に、今年はさらに規模を拡大し、160社・10自治体との交渉を予定しています。

【26春闘の5大方針】

①10%以上の賃上げ(ベースアップ):固定昇給のない非正規労働者の「底上げ」を最重視。
②総額人件費の引き上げ:賃上げ分を「シフトカット」や「早上がり」で相殺させない。
③均等待遇の実現:正社員との不合理な格差是正(同一価値労働同一賃金)。
④全国一律最低賃金1500円の即時実現。
⑤エッセンシャルワーカーの低賃金構造打開。
すでに「スシロー」「はま寿司(ゼンショーグループ)」「ヤマト運輸」などに対して要求書を提出しており、回答次第では3月以降、ストライキを背景とした交渉に突入する構えです。

当事者たちの証言:切り詰められた生活と「普通」への渇望

会見のハイライトは、現場で働く当事者たちによる切実な訴えでした。

三多摩地域の会計年度任用職員(保育現場):
「自治体間で時給に約230円もの差があり、募集をかけても人が来ない。病気休暇もない自治体が多い中、東京都が掲げる女性支援と現実はかけ離れている。『声を上げなければ変われない。声を上げれば変わる』という思いでここにいます」。

ベルリッツ・ゼネラルユニオン東京代表(語学講師):
「10年以上、インフレに追いつく賃上げがない。1日10コマ、早朝から深夜まで教えても、実質賃金は下がり続けている。『私たちは貧しくなるために働いているのではない』。ベルリッツJapanはもっと公正であるべきだ」。

ゼンショー・はま寿司のアルバイト(学生):
「大学の機材代のために働いているが、全然お金が足りない。店舗には正社員がほとんどおらず、バイトが管理業務まで担っているのに時給は見合わない。経団連が回答書すら受け取らない今の日本は、どうかしていると思う」。

出版流通現場(サンキョウロジアソシエート勤務)の川上氏:
「賃金が少し上がっても、食堂の料金が2割上がれば生活はさらに苦しくなる。昼食をコーヒー牛乳1本や、100円ショップのカップ麺で済ませるのが日常の光景だ。『普通に説明を受け、普通に休み、普通に食べて生活できる賃金を求めているだけです』」。

実態調査が示す「個人的対処の限界」

実行委員会が行った「非正規労働者生活・労働実態調査2026」では、非正規労働者の窮状がデータで裏付けられました。

回答者の99.1%が生活費の高騰を感じており、88.4%が「生活が苦しくなった」と回答。
対応策として6割が「食費・医療費・光熱費を削る」と答え、約3割が「副業や借金で補填」している。
45.1%の労働者が、昨年から現在まで賃金が「上がっていない」と回答。
報告に立った青木耕太郎氏(総合サポートユニオン)は、「節約や副業での対応はすでに限界であり、賃上げこそが唯一の打開策である」と強調しました。

全国へ広がる連帯の輪

会見では、各地域の労組からも報告がありました。

●宮城(仙台けやきユニオン):ヤマト運輸で働く留学生が「みんなのために」と25%の賃上げを求めて立ち上がった事例を報告。
●名古屋(名古屋ふれあいユニオン):自動車部品工場等で働く日系ブラジル人労働者たちが、正社員とのボーナス・退職金格差の是正を求めて交渉中。
●大阪(なかまユニオン):2月20日に会見を行い、非正規春闘関西実行委員会として商工会議所への要請や行政への賃上げ支援を求めていく予定。
●沖縄(うまんちゅユニオン):観光業の清掃現場で賃上げが進まない現状を打破するため、今年新たに実行委員会を形成。

「職場に組合がなくても、一人からでも春闘は始められる」。その決意のもと、実行委員会は本日と明日(2月3日)、「非正規春闘・賃上げ相談ホットライン(0120-333-774)」を開設し、全国からのSOSを受け止めます。

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