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最低賃金の再改定を:大阪

 22日、コミュニティーユニオン関西ネットワークは、昨年11月25日に続いて2回目の最低賃金の再改定を求める要請行動を、大阪労働局に行いました。大阪の最低賃金は、昨年10月1日に31円アップの1023円、3.1%引き上げられました。しかし、物価上昇率は昨年12月で4%を超えており、最低賃金の引き上げ率は物価上昇率に追いついていません。最低賃金法は最低賃金の改定を年1回に限定している訳ではなく、必要性に応じて再改定を検討すべきです。

 この日の交渉には、大阪労働局から賃金課の担当者が出席し対応しました。年度途中でも再改定、それが無理なら次年度の改定時期を繰り上げるべきだと要請しました。これに対しては、労働局は、大阪では最低賃金の影響率が24.6%の労働者に及ぶことを明らかにはしたものの、「最低賃金は、労働者の生計費、賃金、企業の支払い能力の3要素で決定しており、この3つを注視している」と答えるのみでした。また、前回11月の要請については、本庁には報告したものの、本庁からの反応は無いとのことでした。

 参加者は、単純に報告するだけではなく、大阪の実態を踏まえて大阪労働局としての考えやコメントを本庁に伝えることを再三にわたり要請しましたが、「本庁には伝えます。」「ご意見はお伺いしました」と答えるのみでした。

 影響率を公表する労働局は珍しく、大阪の影響率が高いことは、大阪労働局も認めているところであり、引き続き要請を続けていきましょうと参加者で確認しました。

 

2023年2月22日

大阪労働局長 

木原 亜紀生 様

コミュニティ・ユニオン関西ネットワーク

共同代表 大橋 直人(管理職ユニオン・関西)

笠井 弘子(きょうとユニオン)

地域別最低賃金再改定の要請

 昨年来物価高騰が続いており、昨年12月の消費者物価指数は、前年同月比で4.0%の上昇となりました。16カ月連続の上昇であり、41年ぶりの上げ幅となっています。とりわけ、食料・光熱費・医薬品など生活に欠かせない「基礎的支出項目」の物価上昇が著しく、電気料金やガソリン価格をはじめ、食料品の値上げは4.0%を大きく上回っており、低所得者層の生活を直撃しています。最低賃金法第1条では「賃金の低廉な労働者について、賃金の最低額を保障することにより、労働条件の改善を図り、もつて、労働者の生活の安定」を図ることを法の目的として定め、第12条では「都道府県労働局長は、地域別最低賃金について、(・・・)必要があると認めるときは、(・・・)その改正の決定をしなければならない」と定めています。今こそまさに「必要な時」です。

 最低賃金改定の際に考慮される三要素(生計費、賃金、支払い能力)の内、「生計費」の急増については上記の通りであり、改めて説明の必要はないと考えます。また、「賃金」については、岸田首相が年頭の記者会見で「物価上昇を超える賃上げを!」と訴えましたが、実際には物価上昇にまったく追いついていません。大企業は一定の賃上げに前向きであると報道されているものの、中小企業で働く労働者や非正規労働者など、物価上昇の直撃を受けている低所得者の賃上げがほとんど進んでいないのが実情です。低所得者のトータルな賃上げには最低賃金改定が不可欠です。「支払い能力」については、企業物価指数が消費者物価指数を上回る10%近い高水準で推移、商品価格に反映できていないケースが少なくなく、支払い能力が低下している企業もありますが、だからこそ、最低賃金制度の側から、賃金引き上げを可能とする施策を求めるべきだと考えます。

 私たちは昨年11月25日に貴労働局に対して最低賃金再改定の要請を行いましたが、これと前後しながら、「最低賃金大幅引き上げキャンペーン委員会」の構成団体その他の団体が厚生労働省をはじめ、全国の労働局に対して最低賃金再改定の要請を行ってきました。速やかに最低賃金の再改定に取り掛かっていただくこと、仮に年度内の再改定が難しいとしても、例年の最低賃金の審議を前倒しして、一日も早く物価高騰を超える最低賃金の引き上げを実現するよう求めます。

 また、私たちは最低賃金再改定に加えて、全国をランクに分けた決定方法そのものを見直すことを強く求めます。現在、中央最低賃金審議会の全員協議会にて、目安制度のあり方そのものについて議論されており、「今の制度を前提としたランクの入替えのみならず、ランク制度の在り方も検討すべき。」、「地域間格差を縮める観点からは、ランクの在りようも考えていく必要があるのではないか。」との意見が出されています。都市部でも地方でも必要生計費に極端な違いはありません。むしろ働く人の賃金の「最低限度」を決めるなら、全国一律であるべきだと考えます。同一労働同一賃金の考え方からしても、地方間の大きな格差は解消すべきです。

以上の通り、大阪地方最低賃金の再改正と目安制度の改正を要請します。 

                                            

以 上

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