
2026年3月12日、関西非正規春闘実行委員会とコミュニティ・ユニオン関西ネットワークは、京都府知事に対し「最低賃金の大幅引き上げにともなう中小零細企業直接支援策の拡充を求める要請書」を提出し、行政懇談を行いました。本要請には、なかまユニオン代表の井手窪啓一氏、きょうとユニオン執行委員長の笠井弘子氏をはじめ、現場の切実な声を届けるべく労働組合の仲間が結集しました。
働く者の命を守る「全国一律1,500円」と格差解消の訴え
私たち実行委員会は、長引く物価高騰が非正規労働者を直撃し、「人たるに値する生活」を営むことすら困難になっている現状を強く訴えました。特に深刻なのは、京都府(1,122円)と隣接する大阪府(1,177円)との間にある「55円」もの賃金格差です。この格差により、京都の貴重な労働人材が大阪へ流出する事態が顕在化しています。私たちは知事に対し、2026年度改定において大阪府と同額まで引き上げを行うよう、強い政治的決断を求めました。

笠井氏による現場告発:企業の限界と「冷たい水」の恐怖
懇談の場において、京都幹事の笠井弘子氏は、賃上げをしたいという思いがありながらも、体力不足から「防衛的賃上げ」が限界に達している中小零細企業の生々しい実態を報告しました。笠井氏は、現状を以下のように表現し、行政による直接的な下支えを迫りました。
「(足元から)冷たい水がどんどんどんどん膝どころか来たような、そういうふうなしんどさを抱えてる中小企業、零細企業は本当に多いですので、そこをちょっとその冷たい水から少し上がるような踏み台みたいな形のあの支援をいただければ」
また、人手不足を背景とした安易な効率化についても、「少ない人でたくさんの仕事をどんどんできるようにというふうなことに、どうしても短絡的に判断してしまって、結局はあの現場からバラバラ人が抜けていく」と指摘。現場の疲弊を無視した合理化が、さらなる雇用不安と地域経済の衰退を招いている実態を厳しく告発しました。
京都府の見解:直接支援への慎重な姿勢と「伴走型支援」の強調
これに対し、京都府側(労働政策室・産業労働商務委員会)からは、現在の府の方針が示されました。府の担当者は、中小企業への直接支援(給付金等)ができない理由について、「財政が限られている中で、持続可能な視点から体力をつけてもらうための改善や生産性向上を支援することが原点である」と回答しました。
府の見解によれば、一時的な資金援助ではなく、あくまで企業の経営基盤を強くするための「伴走型支援」に重点を置くというスタンスです。一方で、知事自身が労働局に対し賃上げの必要性を直接伝えていることや、公共調達における労務単価の改定、予定価格への適切な転嫁を進めているといった現状の取り組みについても説明がありました。
行政の責任を問う:今こそ「踏み台」となる支援を
しかし、私たち労働組合側から見れば、生産性向上を条件とした従来の助成金制度は、新たな投資が困難な零細企業にとって極めてハードルが高いものです。府側が主張する「企業の体力」を待っている間に、最賃倒産や人材流出によって地域経済の土台が崩れてしまうという危機感が、行政側にはまだ十分に伝わっていないと言わざるを得ません。
私たちは、非正規・未組織労働者を含めたすべての働く仲間が、将来に希望を持って京都で働き続けられる社会を実現するため、今後も「現場の痛み」を突きつけ、実効性のある直接支援の実現に向けて団結して交渉を続けていきます。









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