メーデー

「もっとキラキラしよう」ー労働運動 太陽のように 中之島メーデーで 産声をあげた 新しい連帯の形

2026年5月1日、曇り空から午後には初夏の陽光が降り注ぐなか、大阪市北区の中之島公園剣先広場において、第97回中之島メーデーが盛大に開催されました 。

全日建関西生コン支部、全港湾大阪支部、大阪全労協、なかまユニオン、関西合同労働組合等で構成される実行委員会の主催により、500名以上の労働者や市民が結集しました 。本年のメーデーは「生きるために、今、私たちは立ち上がる。」をメインスローガンに掲げ、長引く物価高騰や戦争の危機、さらには労働権利の抑圧という厳しい情勢に対し、労働者が自らの手で未来を切り拓く決意を固める場となりました 。

緊迫する国際情勢と国内政治への厳しい批判

集会は午後1時30分、全日建関生支部細野書記長による主催者挨拶で幕を開けました 。挨拶のなかで強調されたのは、現在進行形である国際的な危機の深刻さです。本年2月末に発生したアメリカ・イスラエルによるイラン攻撃、そして現在も続くガザでの虐殺行為に対し、強い糾弾の声が上げられました 。戦火のなかで命を落とす子どもたちの命の重さは、日本に生きる子どもたちと何ら変わらないはずであり、戦争という名の下に無慈悲に命が奪われる現状を看過してはならないという訴えは、参加者の心に深く刻まれました 。

国内政治に目を向ければ、高市政権による軍事優先の姿勢と対米追随外交への批判が相次ぎました 。トランプ米大統領に対し「平和をもたらす」と媚びへつらい、沖縄や南西諸島、さらには静岡や熊本での軍事拠点化を推し進める現政権に対し、参加者は「軍事費を削って暮らしに回せ」という怒りの声を共有しました 。また、憲法9条の改悪を目論む動きや、日本列島を軍事要塞化しようとする流れに対し、労働者と市民が一体となって共同闘争を展開し、憲法改悪を阻止する必要性が改めて確認されました 。

労働弁護団や自治体議員からの連帯あいさつ

続いて来賓による連帯の挨拶がありました。大阪労働者弁護団は、裁量労働制の拡大や「サービス残業」を助長するような労働時間規制の緩和といった高市政権の動きを厳しく批判し、労働基準法の本分を守る闘いの重要性を説きました。茨木市議の山下けいき氏や豊中市議の木村真氏は、高市政権による軍事優先の姿勢を批判し、伊丹や関空などの空港・港湾の軍事利用(特定利用)を許さないと訴えました。れいわ新選組の大石あきこ氏のメッセージを代読したたばたけいな氏は、介護現場の窮状と貧困問題に触れ、社会は「横のつながり」で変えていくものだと呼びかけました。社民党の大椿ゆうこ氏は労働者の声を政治へ届ける議員の必要性を強調し、箕面市議の中西とも子氏はパートナーシップ制度や非正規職員の処遇改善といったジェンダー平等の歩みを報告しました。 大阪府議野々村愛氏、高槻市議高木りゅうた氏も登壇しました。

新たな運動の息吹「ルーキーズ」の熱き訴え

本年の新たな試みとして注目を集めたのが、各労働組合の期待の新人が登壇する「ルーキーズ」のコーナーです。全日建関西ゼネラル支部書記長の兼清氏は、組合に入って8年目を迎える自身の経験を踏まえ、労働運動を様々な社会運動の軸として捉え直し、若手の声を運動に反映させていく抱負を語りました。
続いて登壇したゼネラルユニオンの外国人メンバーは、日本での活動を通じ、移民労働者が直面する言語の壁や解雇への不安を浮き彫りにしました。会社がこうした不安につけ込み、社会保険や賃金を不当に低く抑える現状に対し、ワークショップを通じて権利を周知し、一人の声でも会社を変えられるという成功例を積み重ねていく決意を語りました。特になかまユニオンの髙橋氏は、自身の運動経験から「もっとキラキラしよう」という独創的なスローガンを掲げました。韓国での民主化運動の歴史や現代の「光の広場」での事例を引き合いに出し、LGBTQや障害者、外国人などあらゆる人々を排除しない明るい連帯のあり方を報告しました。髙橋氏は、労働運動が太陽のように明るくキラキラした魅力を放つことで、若い世代が自然と集まるような運動へとアップデートしていくべきだと力説しました。

労働の尊厳を懸けた各組織の争議報告

争議報告のセクションでは、現場での切実な闘いが報告されました。全港湾からは、不当行動行為を扇動する梅南鋼材社弁護士に対する懲戒請求の闘いが、教育合同労組・公務員の労働三権を認めさせる闘いが報告されました。連帯ユニオン関西ゼネラル支部とさかいユニオンからは介護事業を展開するビーナスの事例が報告され、会社急拡大のしわ寄せを現場管理職に押し付ける不当な実態が糾弾されました。
なかまユニオンからは、渋谷氏が箕面市の介護老人保健施設「ラ・アケソニア」を運営する神明会との闘いを報告しました。渋谷氏は「介護を金儲けの具にするな」と強く訴え、経営側が労働者の権利や高齢者の尊厳を奪いながら利益を優先している現状を批判しました。この闘いは地域にも大きな影響を及ぼしており、デモの行進途上にある別の介護施設では、職員が未払い賃金を要求した際、経営側が「裁判にだけはしないでくれ」と過去3年分の未払い賃金を即座に支払うという成果も生まれています。渋谷氏は、神明会の理事長を追い詰め、より良い介護を実現するために、7月18日に再び箕面市で大規模なデモを行うことを宣言し、さらなる支援を呼びかけました。

表現を通じた団結とデモ行進

集会の後半では、文化活動を通じた連帯が披露されました 。なかまユニオンバンドの演奏に加え、シンガーソングライターの川口真由美氏によるパフォーマンスが行われ、楽曲「ニムのための行進曲」「メーデー歌」「インタナショナル」などが披露されました 。歌やリズムに合わせて拍手を送り、参加者が一つになるなかで、闘う意志がより強固なものへとなりました 。

「二つの敵」との闘いと労働組合の再生

本年のメーデーアピールでは、労働者が直面する「二つの敵」という考え方が提示されました 。一つは、労働者の権利を抑圧し、生活苦からさらに搾り取ろうとする資本や権力という「外なる敵」です 。物価高が生活を圧迫する一方で賃金が上がらない現状を打破するため、最低賃金1500円の実現や大幅な賃上げを勝ち取ることが喫緊の課題として語られました 。特に、サービス残業を拡大させかねない裁量労働制の拡大や、労働時間規制の緩和といった労働基準法の解体を目論む動きに対し、断固として反対していく姿勢が示されました 。

そしてもう一つの敵として語られたのが、労働組合自身の闘う姿勢の欠如という「内なる敵」です 。先進国のなかで唯一賃金が上がらない日本の現状の根本的な原因は、労働組合が本来の役割を果たし切れていない点にあるという自己批判的な視点が提示されました 。労働組合が企業別組織の枠に安住し、非正規労働者の組織化や既得権益を超えた連帯を怠ってきた結果、労働者の力は弱まっています 。自分たちが十分な運動を展開できているかを問い直し、相手と戦う前にまず自分自身が立ち上がるのだという強い決意が、今回のメーデースローガンには込められています 。
集会の締めくくりには、全港湾の小林委員長による「団結がんばろう」の唱和によって、集会は終了しました 。
午後3時40分、集会を終えた参加者は中之島公園を出発し、西梅田公園までのデモ行進に移りました 。沿道の人々に対し、「アメリカ・イスラエルは攻撃をやめろ」「物価高をなんとかしろ」「憲法9条を守ろう」といったシュプレヒコールを力強く響かせました 。
本日の第97回中之島メーデーは、参加した一人ひとりが「自分自身が立ち上がる」という決意を胸に、職場や地域へと戻り、明日からの新たな闘いへと踏み出す一日となりました 。

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