
労働者の権利を守るために労働組合に加入した途端、会社から執拗な嫌がらせや不利益な扱いを受ける――。そんな時代錯誤とも言える事件が大阪で発生しました。
2026年6月25日、労働組合なかまユニオンと組合員のAさんは、三紀サービス近畿株式会社(大阪府吹田市)による度重なる不当労働行為の是正を求め、大阪府労働委員会に救済を申し立てました 。申し立てられた内容には、信じがたいようなパワーハラスメントや労働時間の不当な削減の手口が並んでいます。
きっかけは組合加入、信じがたい「嫌がらせ」の数々
Aさんは2011年頃から三紀グループで働き始め、2017年からは現在の職場で入荷検品作業に実直に従事してきました 。それまで懲戒なども一切なく働いていましたが 、2025年12月に労働組合なかまユニオンに加入したことで、会社の態度が一変します 。
会社側は組合加入直後から不当な「クビ」を示唆 。さらに2026年2月には、驚くべきことに「体臭」を理由にエレベーターの使用禁止を命じるという、個人の尊厳を深く傷つける嫌がらせまで行いました 。これを機に団体交渉が開催されたものの 、その後もことあるごとに顛末書を書かせたり、一方的に休憩を命じて賃金をカットするなどの執拗な嫌がらせが継続したといいます 。
社長ら4人が包囲して「テスト」、不当な配転と労働時間半減
Aさんが社会保険への加入や無期雇用への転換を申し出ると 、会社側の揺さぶりはさらにエスカレートしました。
2026年4月16日、西田社長ら4名がAさんを現場で包囲・監視する中で「テスト」を強行 。他の労働者には徹底されていない「指差し確認の欠如」をあえてAさんからのみ穿り出し、それを口実に、長年続けてきた入荷作業から「洗浄業務」へと強制的に配置転換したのです 。
さらに酷い仕打ちは続きます。2026年6月、会社側はAさんの定期健診の結果(高血圧)を理由に「通院を怠れば出勤停止にする」と威嚇 。Aさんが医療機関を受診して結果を報告すると 、今度はAさんが副業として行っている新聞配達(業務委託契約)を突如持ち出し、「労働時間の制限がある」と言いがかりをつけました 。そして、本来の契約時間である1日6時間45分の労働時間を、わずか「3時間」へと半分以下に一方的に削減し、強制帰宅させたのです 。法律を歪曲してまでAさんの働く機会と賃金を奪おうとする 、あまりに強引な手口です 。
組合を無視した個別面談と「業務命令違反」との恫喝
労働組合なかまユニオンは、労働条件に関する交渉窓口を組合に一本化するよう会社に強く要求していました 。労働者が孤立して会社から圧力をかけられないようにするための、当然の権利です。
しかし会社側はこれを完全に無視し、2026年6月23日にAさん個人を呼び出して副業の稼働状況について問い詰める個別聞き取りを強行しました 。Aさんが組合の指示に従ってこれを拒否すると 、会社側は書面にて、正当な拒否であるにもかかわらず「業務命令違反である」として激しく威嚇・恫喝を行いました 。
奪われた日常と、謝罪を求める声
一連の行為について、なかまユニオンは「組合に加入して権利を主張し始めたことに対する見せしめであり、自主退職に追い込むことを企図した明白な不利益取扱いだ」と強く非難しています 。
今回の申し立てにおいて、組合側は以下の救済を求めています。
- 不当な洗浄業務への配置転換命令を撤回し、元の入荷作業に復帰させること
- 本来の契約時間(6時間45分)通りに就労させ、不当にカットされた差額賃金を全額支払うこと
- 組合員への個別聞き取りなどの支配介入行為を二度と行わないこと
- 不当労働行為を認め、今後同様の行為を繰り返さない旨の陳謝文を1メートル×2メートルの白板に墨書し、玄関の目立つ場所に2週間掲示すること
まじめに働いてきた労働者が、労働組合に入ったというだけでこれほどまでの精神的・経済的苦痛を強いられることがあってよいのでしょうか。労働委員会の迅速かつ公正な判断が待たれます 。







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