3月26日、けんり総行動実行委員会21春闘東京総行動が行われた。12カ所への申し入れ行動が行われた。昼には、けんり春闘実行委員会との共催で日本経団連への申し入れ行動が行われた。コロナ禍の影響で2月19日の行動が、この日に延期されたわけだが、スタート集会の霞ヶ関総務省前は、いつもより参加者が少なくなってしまった。しかし、コロナのために労働争議を中断させるわけにはいかないと熱い思いを持つ仲間が結集した。21日に緊急事態宣言が明けたばかりの東京で、未だコロナへの警戒感が強く感じられる中、大きな声でのシュプレッヒコールを控えるなど、感染対策を心がけながらの行動になった。
さて、東リ偽装請負闘争では、目黒駅前にある人材派遣会社(株)シグマテックの本社へ申し入れを行った。シグマテックは、長年、東リ伊丹工場で働いてきたL.I.A労組の組合員5人を、東リが業務を請負会社から引き継がせる際に、不採用とし、職場から排除したのである。
2017年6月、組合員5人だけを不採用したのは、組合員であることを理由とした不利益取扱いだとして、兵庫県労働委員会へ不当労働行為救済申立を行い、2019年4月職場復帰命令を勝ち取った。しかしシグマテックはこれを不服とし、中労委へ再審査を申し立てている。現在中労委では和解交渉が進められている。当初、L.I.A労組は和解の選択肢はなかったが、中労委の強い説得を受け入れ、和解交渉に応ずることにした。そもそもシグマテックがこのコロナ禍の折、早期解決のために強い和解の意思があると、中労委から聞かされていたが、交渉は遅々として進まず、残念ながらシグマテックからは、その意思を感じ取ることができないままである。東京総行動では、そういうシグマテックに対し、1日でも早い争議解決を迫るため申し入れをした。
シグマテック本社前には30名以上の戦う仲間が結集した。元々、コロナの影響で全体的には少ない参加者であったが、これは予想以上であった。行動はいつもならシュプレッヒコールで始まるのだが、大声の抗議は控えめにし、それでも多くの仲間の熱気に押されるように、行動は進んで行った。
主催者代表東京全労協寺嶋事務局長の挨拶を頂き、その後シグマテックに申し入れを行った。申し入れに向かったのは当該の有田、なかまユニオン井手窪委員長、田中執行委員、首都圏なかまユニオンの石川さんの4人。
オフィス前で待ち構えていたのは、シグマテックの担当者と他2名だった。担当者は要請書をすんなりと受け取った。以前は「受け取りません」と抵抗し、擦った揉んだがあったが、今回は何の抵抗もなかった。とは言え、解決に前向きであるかどうか話は別だ。兵庫県労働委員会の命令に従い、5人を職場に戻すことを求める要請書を手渡し、1日も早く争議を解決するよう口頭で伝え、申し入れは終了した。
中労委が4月22日に予定されているが、シグマテックが解決に向けて、真摯な対応を見せて欲しいものである。
シグマテック前の行動は、本当ならシュプレッヒコールで締めるところだが、気持ちの上では気合を入れつつ、「団結がんばろう」で行動を締め括った。