セクハラ・パワハラ許さない!労働災害給料上げよう

【テクノプロ事件争議報告~《なかまユニオン テクノプロデザイン社との労働争議》~】

(自己紹介)派遣社員として働くエンジニア・組合員Aさん…これから派遣でエンジニアとして働く皆さんに伝えたい事。ユニオンショップ制の問題点~好きな労働組合に加入する事由がある~


  私は技術系アウトソーシング大手の、テクノプロデザイン社に努めているA組合員です。約20年在籍しています。このテクノプロデザイン社と労使間交渉に至った経緯をご報告します。 ユニオンの方々や、ユニオン加入を考えていらっしゃる方はもちろん、テクノプロ現役社員の方、テクノプロデザインへ就職や転職を考えていらっしゃる方にも、読んでもらえれば幸いです。この会社の真実が分かります。

〇本題の前に、簡単に派遣社員とお金のことについて書きます〇~テクノプロデザイン社のマージン率について~

 (本題の前に)…派遣社員の給与は、派遣先企業が支払うお金から出ています。この「チャージ」とか「売上単価」と呼ばれるお金が派遣社員の給料になり、派遣会社の利益になります。派遣先企業は必要なスキルを持った派遣社員にお金を支払うので、それは派遣社員の腕前に対する評価額といえます。

 そして、派遣会社は、このチャージから給与以外の福利厚生の原資や社会保険料、派遣エンジニア以外の営業、事務、役員の人件費や会社の費用をまかないます 問題は、この派遣先企業が派遣会社に支払うお金であるチャージを分配するときの割合です。

 この派遣社員のチャージを派遣会社と分配するときの割合は「マージン率」と呼ばれています。要は派遣社員のチャージを派遣会社がいくら取るかの割合です。その割合は法律で規定されていませんが、割合を公開することは義務付けられています。一般的にマージン率(派遣会社の取り分)は、30%から40%が相場です。

【テクノプロデザイン社のマージン率】 マージン率を考えてみよう

  そして、テクノプロはこのマージン率が高めです。40%を超えています。つまり、派遣社員の取り分がかなり少ない派遣会社です。ネットで調べれば、他の派遣会社との比較も出てきます。  そのときにヒットするネット記事には決まり文句のように「マージン率が低い(派遣会社の取り分が少ない)からといって、良い派遣会社というわけではない」と書かれています。

 「派遣会社の取り分の中には、派遣社員のスキルアップのための研修費用も含まれているから」とか「その分、営業社員の給与が良くて能力が高いから」ということが書かれています。  しかし、スキルアップへの費用は派遣会社にとって設備投資のようなものです。研修や訓練を実施しない派遣会社はまずありません。また、他の派遣会社と比べてテクノプロの営業能力が高いという事実もありません。「会社の取り分が多いから、営業社員の給料が高くてモチベーションが上がり会社の営業能力がアップしている」という推測も可能ではあります。

 しかし社員として中にいて「営業の給与が高い」「営業のモチベーションが高い」とは聞いたことも感じたこともありません。 むしろ、「営業成績を上げても給料が変わらない」、「営業社員には賞与がない」のですから、他社よりモチベーションが高い理由はどこにもありません。

 つまり、マージン率が高いということは、シンプルに派遣社員の取り分が少ないということです。それは絶対的事実です。ネット記事に流されて、「マージン率が高い派遣会社は社員教育を重視している誠実な会社」のようなイメージを持たないようにしましょう。

  繰り返しますが、チャージのマージン率が高いということは、「派遣社員の給料が少ない」という厳密な数値が示す公開されている絶対的な事実です。テクノプロに就職、転職を考えている新卒の方々、社会人の方々は、そこをしっかりと認識してください。

【テクノプロデザイン社の新しい人事評価制度(本社は六本木ヒルズ)】

 数年前にできたテクノプロの新しい人事評価制度を説明すれば、なぜマージン率が高いのかが分かります。テクノプロのエンジニアにはランクがあります。階段をイメージしてもらえれば分かりやすいかもしれません。階段の1段1段がランクを意味していて、1段上がれば1ランク上がって給料も増えると会社には言われます。 しかし、階段を一段上るだけでも、様々な関門と罠が用意されています…。

 あなたのランクが一段目だとしましょう。あるときチャージが大きく上がったとすると、ランクもそれにともなって上がる可能性があります、そうなれば給料は上がります。しかし、ここにはいくつかトラップがあります。まず、ランクが上がるには定期的な評価で5段階評価(上がAのAからEの5段階)でAかBになる必要があります。 この評価は、あなたの「ビジネススキルを評価するたくさんの項目」をリーダー、支店、本社がそれぞれ評価して、すべての項目に対して5段階評価でAかBを取らなければなりません。しかも、支店内のエンジニア20%以内を限度とする、と資料には記載されています。

  実は会社と団体交渉する中でこの「20%以下は足切り」という数字は虚偽だと分かったのですが、それは交渉経緯のところで詳述します。 そもそも、5段階の絶対評価なのに、20%の足切りを行えば、評価的には達成している人が無意味に評価査定から落とされてしまうという訳の分からない仕組みです。 要するにチャージアップしてランクが上がる条件をクリアしても、まだ合格するには関門があるのです。しかも、評価査定は年2回しか実施されず、更にランクが上がるタイミングは7月のみです。チャージアップしてもランクアップを逃せば何年も給料は据え置きです。

 そして、トラップはまだ続きます。ようやくランクが上がった!となってもマージン率からすると45%以上も取られています。なぜなら1つのランク内に年収の幅が設定されていて、ランク1の年収上限とランク2の年収下限は同じ数字だからです。 つまり、やっとランクが上がっても給与は同じですが、チャージが上がった分だけマージン率が高くなります。江戸時代のお百姓さんでも四公六民でしたが、テクノプロは鬼の五公五民です。悪代官も真っ青です。

 そして、そこからの昇給は年1回だけで4月の定期昇給しかありません。テクノプロの昇給実績は基本2500円から5000円程度です。2025年は基本給の5%でした。基本給20万円の方なら1万円昇給です。すごい!

整理します。マージン率が相場の下限である4割の場合、20万円のチャージアップなら12万円の給与の増加が通常期待できます。半分でも10万円です。しかし、新しい人事制度ではチャージアップに追いつくには昇給1万円なら12年、昇給2500円なら48年掛かります。新卒の方でも定年までの達成は不可能です。目指せ定年70歳。

【テクノプロデザイン社の新しい人事評価制度(本社は六本木ヒルズ)パートⅡ】

 例えばランク1の下限~平均年収の人が大幅にチャージアップして評価査定も通過すれば、ランク2下限年収であっても給与額面は上がります。 しかしマージン率はもちろん五公五民になりますし、ランク平均以下の人が評価査定をパスするのはすぐには無理でしょう。つまり、チャージアップを勝ち取ってもランクを上げるのは容易ではありません。 そしてランクが上がるまで、チャージアップした分は社員には配分されることなく搾取され続けます。(何年かかるのかは、誰にも分かりません)

 まだまだあります!ようやくランクが上がったとしても、先述のとおりランクの下限年収からスタートなのです。つまり、ランク1の上限年収の人はランク2の下限年収になりますが、どちらも会社の想定年収上、同じ額なので給料は上がりません。 そしてこれも先述のとおり、昇給は年1回だけで4月の定期昇給しかありません。チャージアップしようが何しようが、このタイミングだけです。

 加えて、ランクの数が非常に少ないので、何段も飛び越えることはありません。上位のランクはコンサルタント業務で占められており、そのランクに上がる人はほとんどいません。 テクノプロのエンジニアの年収は350万~1000万などと転職サイトに記載されていますが、上位の年収レベルに到達するのはハードルが非常に高いです。

 年収のボリューム層は300万後半から500万前半くらいです。残業代で稼げれば、600行くかな?くらいが大半でしょう。いまどき残業が多い派遣先も少ないですが。 それに大企業に派遣できる技術コンサルタントなんて、大企業出身の設計部門役職クラスではないでしょうか。大企業を早期退職して年金もらえるまでの繋ぎ、みたいな人でしょう。

  少なくとも私はそのランクの人を見たことも聞いたこともありません。本当に存在しているのでしょうか。 「ホワイトな大企業で働けるチャンスがある!」と思うなら、テクノプロは避けましょう。他にもっとマシな派遣会社はあります。派遣社員は、派遣先でバリバリ働いて認められても、そこでは出世はできず、キャリアップはできません。

 何がモチベーションになるかといえば、チャージがアップして給料が上がることが大きな要素ではないでしょうか。 しかし、テクノプロでは、チャージアップと比例して給料はすぐに上がりません。この新しい人事評価制度によって、大きなチャージアップを実現しても、すぐにその恩恵を享受できません。

 あなたが頑張れば頑張るほど、会社の儲けが大きくなる仕組みになっているのです。本社は六本木ヒルズにあります。昔から「高い賃料払う余裕があるなら社員に還元しろ」と批判されていましたが、このオンラインミーティングの時代でも一向に出ていく気はないようです。

 「本社管理社員は在宅勤務ばかりで六本木ヒルズに本社を構える意味あるの?」とエンジニア内で噂があります。  ちなみに、なかまユニオンから団交連絡をテクノプロ社長あてにFAXしたら返答がなく、理由が「本社に誰もいなかったため」との回答でした。噂は真実でした…。余談ですが、我が社の社長は某お笑いトリオの焼肉好き芸人のグルメ同好会のお仲間で毎晩美味しいものを食べていらっしゃるとか。六本木ヒルズに本社があると交友関係が広がるようです。社員の利益にはなりませんが…。

本題:【派遣先会社食堂でパワハラを受けてしまう】~なかまユニオンへ加入~

 ここからが、なかまユニオンさんにお世話になる経緯になります。ある派遣先で派遣先の社員から暴行を受けました。その日のうちに派遣先の上長とコンプラ担当者、テクノプロ営業へ連絡。ケガしたので診断書を取り、暫く休みました。そのうち派遣先から謝罪があるだろうと思いきや、まるで何もありません。

 あまりに非常識なので警察に被害届を出しました。後日、知りましたが、テクノプロの営業はその派遣先に「ご迷惑をお掛けしていて申し訳ありません」と謝る始末です。ご迷惑をお掛けさせられたの俺なんだけど…。 この派遣先の社員は私と同じ課の人間でした。下請けさんなど立場が弱い人に怒鳴り散らす、偉そうにするということで有名だったので、私も避けていましたが、一緒に仕事したときは偉そうにモノを言われたこともあります。 ちなみにこの派遣先は正社員と派遣社員の制服が異なるので、派遣社員かどうかはすぐ分かるようになっています。

 動機はよく分かりません。昼休みの社員食堂で起こりました。社員食堂を利用したことがある方なら分かっていただけるかもしれませんが、おかずを取るのに血走るタイプの人がいます。  「派遣社員ごときが俺の側に寄るな」的な行動だったようです。食堂にはたくさん人がいましたが、誰も証言はしてくれませんでした。 この社員は暴行は認めましたが、傷害は認めませんでした。「手は上げたが、ケガはさせていない」という感じでしょうか。こちらは全治2週間の診断書もありましたが…。

 さて、ケガも治ったので出社しますが、誰もそのことには触れません。今後の対応をテクノプロと協議しました。支店長と本社のリスクマネジメント課長という人間とオンラインで打ち合わせしました。 その本社のリスクマネジメント課長から「あなたのせいでテクノプロが迷惑だ、同僚のみんなが派遣先に切られて路頭に迷う」と言われました。何度も言いますが、ご迷惑をお掛けさせられたの俺なんですけど…。

  ハラスメントの相談をして二次被害を受けるのは「セカンドハラスメント」と言うそうです。そのため、自分の会社ですが、テクノプロと協議するときは録音することにしました。

 本社リスマネ課長は録音しているときも同じ発言を繰り返しました。私が「課長や係長に同じことはしないでしょう。派遣社員と分かってやっているのだからパワハラでもある」と訴えると、テクノプロは「これは私闘だ!」と言い始めます。 かっこいい響きですが、いきなり一方的に手を挙げられたのは私です。事前にこちらが何かした訳でも、口論があった訳でもありません。派遣先も非常識ですが、私の会社も負けていません。

 例えば、下請けに迷惑をかけたら、まずは謝罪なり状況の確認くらいするのではないでしょうか?さっさと謝罪していたら、こんな大事にはならなかったでしょうが、この派遣先の人事はこう営業に言いました。「どうせお金目的でしょう」と。 私はそれを聞いて決心して、そんなに謝罪したくないならと思い、お金を要求することにしました。相手の暴力社員から和解案が出てきましたが、治療費と文書による暴行への謝罪でした。私は当初、直接の謝罪と治療費の支払いのみでよいとテクノプロ経由で伝えていましたが。

 先述したとおり、何週間もほったらかしで出社後も何も対応しない派遣先に嫌悪感が出てきたので、慰謝料も要求しました。 私が「傷害は認めていなくても暴行は認めているのだからパワハラでしょう」と訴えても支店長は「うーん」。うーんて何。結局、テクノプロには「派遣先とはもう交渉できませんので勝手にどうぞ」と言われました。 自分のところの社員がパワハラ暴行を受けても、派遣先に遠慮して何も文句を言わない会社です。われわれテクノプロ社員はハラスメント防止の動画を年2回も観せられて正しい行動がどういうものかテストを受験させられます。

 また、大昔にあった社員による情報漏洩を例に出して、コンプライアンス違反には重い罰則があると未だに言いますが、社員が暴行されても文句も言わず、それどころか暴言でセカンドハラスメントをしてきます。

【派遣先会社食堂でパワハラを受けてしまうパートⅡ】

 社員でいっぱいの食堂で証言ひとつもないのもおかしな感じです。ここは世界でも有名なメーカーさんですが、一族企業です。この件とは別にこんなこともありました。近未来的な社屋の事務所に入るにはリーダーで社員カードを読ませないと自動ドアが開きません。

  人が多い場合、最初にドアの前に着いた人がカードで開けて通るか、急ぐ人を先に通します。通しもらった人は社会人の常識としてお礼を言ったり会釈します。ある朝、私が自動ドアを開くと、無言でズカズカと入っていく社員がいました。

 仕事で絡まない別部署の社員でした。私は腹が立って「無礼なやつやな」と言って自席へ行きました。暫くすると、その社員が私の席までやってきて「何か文句があるんですか?」と言ってきました。 「島野さん!会釈くらいするのがマナーでしょう!派遣やからしないんですか?偉いさんにもしないんやね?」と言うと、しどろもどろになっていました。派遣社員に怒られたり、言い返されたことがないのでしょう。まあ、そんな感じのメーカーさんです。 会社というのは、人間に役職や給料で序列をつけるので、軋轢や理不尽なことが起こりやすいです。それを予防したり何か起これば対処するのが、会社のトップと労働組合だと思います。会社が味方にならず敵とわかったのでテクノプロの労働組合JSGUに相談しました。

【テクノプロの組合JSGU(組合費 月額3700円)】~ユニオンショップ性・第二人事部的な労働組合の問題点~

 最初は、テクノプロとユニオンショップ協定を結んでいるJSGUに相談しました。組合費は月額3700円です。ユニオンショップ協定とは、その会社に入社したら必ず労働組合に加入しなさい、じゃないと解雇しますよ、という協定ですが、協定を結んでいる労働組合に入会する必要はなく、他の労働組合に入れば解雇されません。しかし、新入社員が「私は別の組合に入ります」と言う訳がないので、半強制的にJSGUへ入会することになります。

  この組合は、何年も前に会社から加入を促されました。上部団体はUAゼンセンで、JSGUは、人材派遣業を担当しています。テクノプロだけではなく、他の会社の組合もしている訳です。会社が頼りにならないどころか、味方ですらないと分かった私は、労働組合JSGUに助けを求めました。しかし、このJSGUはいきなり腰が引けた対応です。

 「派遣先でのハラスメントの対応はできないですねえ」 人材派遣業の組合が何を言っているんだろうという感じです。呆れて物も言えませんが、頑張って言いました。JSGUテクノプロ分会に電話で熱弁をふるうと直接会って話を聞くとのこと。結局、その場では、「JSGUは派遣先と直接交渉できない」らしいので、「テクノプロに派遣先との交渉をもう一度依頼する」ということになりました。

【会社の御用組合JSGUの見解】…派遣先とは団体交渉できませんと言われた

 JSGUの最終的な見解ですが、派遣先と交渉はできませんし、テクノプロとも交渉しないとのことでした。派遣先でのパワハラ行為については、そのまま記載しますが 「意図的に放たれた猛犬に噛まれたら傷害事件になるが、野良犬に噛まれても傷害で立件されることはほぼありません」とのことでした。 まるで意味不明ですが、がんばって意訳すると、「業務時間外の昼休みに社員食堂で被害を受けたため、会社に責任があるパワハラとは認められない」、「意図的ではないから傷害ではない」、という意味のようです。

  業務時間外の行動がハラスメントと認定された判例はありますし、例えば、ある人に石を投げたら、当たらなくても暴行になります。当たってケガを負わせたら傷害です。 社員食堂で派遣先社員に意図的に暴行傷害を受けたと反論しても、「傷害事件での立件は難しい」。いや、おまえらは警察か。 本社リスマネ課長の発言に関しても、「婉曲的で」「威圧的ではない」ので、パワハラに該当しないとのことでした。

  「迷惑だ。あなたのせいで同僚が路頭に迷う」が婉曲的な表現とは思えませんし、冷静に暴言を吐けば、JSGU的には全く問題ないようです。 つまり、JSGUは「刑事事件にはならないので、暴行されていたとしても文句は言えません」、「冷静に暴言を吐いていたので、ハラスメントではありません」ということです。訳が分かりません。 例えば、組合員の意見を検討した結果、「これはハラスメントの成立要件を満たさない」とか「傷害事件で立件は難しい」という見解に至ったとしても、組合員の立場に立って、あの発言は誤解を招くものだ、派遣先に抗議謝罪を要求しなさい、すら言えない訳です。  JSGUって誰のために存在するのでしょうか。

【JSGUとは会社の一部署?】誰の為の労働組合なのか?

 結局、JSGUは会社の多数派組合として会社の意向を通すための仕組みに過ぎないのだと感じました。会社有利の新しい人事制度を通すための組合です。「組合と一緒に作った制度ですよー」と会社が言いやすいからです。 「2万人も社員がいるのだから、意見を統合する必要はあるだろ」とおっしゃる人もいるかもしれませんが、組合は新人事制度へのエンジニアの疑問や反対意見にはなんとノータッチで受け付けません。そもそも意見を聞くことがないのです。

  JSGUも加わって作った制度なのに、組合員の反対や改善の意見は受け付けません。なぜなら「会社の人事に関することだから」とのことです。自分たちも制度を作ることに関与したにもかかわらずです。 JSGUが会社の移行通すための仕組みに過ぎないと言ったことを理解していただけると思います。

 こんな組合に組合費3700円を取られるなんてあほらしいです。年間4万5千円ですよ!テクノプロエンジニアの方はご存じのように「組合連絡会」の名目で居酒屋を会場にして、酒を飲むのが3700円の元を取る方法です。 酒を飲まない人は参加しないでしょうし、酒好きな人も役に立たない組合を経由せずに自分のお金なのだから自分で好きな居酒屋行ったほうがよくないですか? 私はJSGUの組合連絡員をしていましたので知っていますが、全国から連絡員を集めて(交通費宿泊費はもちろん組合から出ます)実施する総会後は飲み会です。酒にしか組合費使っていないのかという勢いです。

【JSGUを脱退】~組合費は高いのに味方になってくれない~

 お金がもったいないですし、味方 どころか、相談すらまともに受け付けないJSGUを脱退しました。脱退はもちろん可能です。  JSGUは「会社とユニオンショップ協定を締結しているので組合を脱退したら会社を解雇されますよ」と最後まで会社側の立場でした。労働組合と名乗らずに、テクノプロデザイン社の総務部と名乗ればいかがでしょうか。 JSGUのホームページから脱退の意思を伝えましょう。脱退届を出してくださいと言われますが、フォーマットは用意してくれません。私が作ったフォーマットで良ければお渡しできます。

 私の一方的な話を読んで、「本当にそんな会社寄りの組合なのかな?毎年、労使交渉してくれてるのに」と思われる組合員の方もいると思います。JSGUに「チャージアップしたけれど給与が上がらない」「新しい人事制度で評価が上がらない」と相談してみてください。JSGUは「会社の人事評価に組合は立ち入ることができません」と必ず回答するでしょう。新人事制度の成立には立ち入ったくせにです。

 テクノプロも「新人事制度は改善していく」と定例会などで言っているのを聞いた方も多いでしょう。しかし私たちとの団体交渉の経緯を読んでもらえれば分かりますが、全く改善する気はありません。資料の誤りの訂正すら拒否します。 なぜなら、この新人事制度は会社にとって非常に有利な制度で、社員からチャージを搾取できる制度として設計されているからです。

 つまり、エンジニアが新人事制度に不満があったとしても、会社も組合も変える気は全くありません。変更前は「チャージアップ分は配属手当にて、社員と会社で案分する」とありましたが、配属手当は廃止されました。新人事制度がある限り、派遣会社の通常のマージン率を超えて搾取されます。

  会社が作成した新人事制度資料の想定年収から計算すると各ランクの最低年収は46%のマージン率です。そこから年1回の定期昇給で上がっていきます。 2025年実績では基本給の5%(チャージの5%ではありません)でしたので、チャージが60万の方はマージン率が35%(相場の真ん中)に到達するまで6年掛かります。 今までの昇給実績は平均5000円以下でしたので、この場合10年以上掛かる計算です。ちなみに想定年収は私のデマや妄想ではなく、会社の資料にしっかり記載された数字です。

 定期昇給するからいいじゃないか、とか、賞与もあるだろ、とおっしゃる方もいるでしょう。しかし、合理的に考えるなら、そもそもマージン率が低い会社を選びましょう。技術派遣会社はほとんどで定期昇給があります。 賞与についても、テクノプロの賞与は基本給に紐づいているので、チャージアップしても収入面で大きく変わることはありません。

【一人でも入れる労働組合・なかまユニオンに加入】~地域型労働組合~

 私は一人でも戦い抜くぞと決心しましたが、外部のユニオンさんに連絡を取ると、なかまユニオンさんが返信をしてくれました。大阪京橋の雑居ビルの事務所に行ったときは正直大丈夫か?と思うくらいの大阪京橋感でしたが、委員長は親身に話を聞いてくれました。

  委員長はこの件で、当たり前の感想を言ってくださった二人目の人でした。 最初の人は治療してくれた整形外科の先生で「ぼくも昔、先輩からパワハラを受けたことがある、酷いことをされたね」とおっしゃってくれました。二人目が委員長です。当たり前のことができない社会人に疲れていた私には本当にありがたいお言葉でした。

 委員長は「まずは会社に交渉再開するよう促し、断ったら派遣先と直接交渉しましょう」と言ってくださいました。私の希望通りです。 結局、ことなかれ主義で社員軽視の会社は「再度交渉に応じる」と返答してきました。ユニオンが直接、派遣先と交渉することを嫌がったのでしょう。なぜそう思ったかは次で分かります。

【パワハラに抗議するための団交に挑戦、その結果】

 テクノプロへの要求は、派遣先に対してパワハラを認定させて謝罪させること、治療費と慰謝料の支払い、テクノプロのリスマネ課長の暴言の謝罪、です。 団体交渉の場にテクノプロは弁護士を同席させてきました。私が「弁護士さんは派遣先との交渉にも参加されるのですか?」と聞くと、「いいえ、ユニオンとの交渉だけです」とのことでした。 つまり、会社にとって敵はテクノプロ社員の私のほうで、テクノプロはあくまでも派遣先の味方なので、弁護士まで用意してきたわけです。 お客様は神様です(社員は敵です)といったところでしょうか。エンジニアにはオススメできませんが、コンプラ軽視のメーカーさんにはオススメの派遣会社です。

 しかも、団交にはあの本社リスマネ課長も参加しています。会社にとって、「テクノプロ社員の私」がリスクであるということがよく分かります。 私たちは抗議して、リスマネ課長に発言させないようにしました。会社の役員がどういう意図かよく分かります。芸能人と焼肉食べるだけのことはあります。 会社の意見は同じことの繰り返しでした。弁護士さんも同じ意見をずっと言っていましたが、弁護士さんの脇汗がヤバいです。弁護士さんも最終的には「ええ!相手が悪いと思いますよ!でもパワハラではないんですよ!」と半狂乱で叫んでいらっしゃいました。もちろん脇汗全開です。

  弁護士さんより賢いと思っているから、こんなことを書いているのではなく、当たり前のことをできない、しない社会人だから怒っているんです。弁護士さんも自分では客観的な事実を捻じ曲げていることが分かっているんでしょう。だから、法律の素人に追い込まれて脇汗全開なのです。

 例えば、相手が外注だろうがグループ会社だろうが、取引先に迷惑をかけたらまず謝罪するのが社会人として当然ではないでしょうか? 社員が被害をこうむったら、相手がお客さんだろうが親会社だろうが、味方をするのが当然ではないでしょうか? 結局、派遣先は事件があったことを認めること、加害者は慰謝料と治療費を支払うこと、で和解しました。暴行の事実を加害者が認めているのだから当然なのですが、テクノプロとJSGUの言うままだったら泣き寝入りでした。

  派遣先も加害社員もさっさと謝罪すれば、治療費だけで済んだのに本当に愚かです。一般常識のロジックではなく、権威主義的な風土がこういったことを助長したといえます。まさにコンプラ違反の集大成でした。 テクノプロデザイン社は情報漏洩とかより、この事件を教材に(社長以下本社管理社員は特に)コンプライアンスを勉強し直した方がいいと思います。

《リスマネ課長、あなたのことですよ!結局この人も、会社も暴言への謝罪を拒否しました。パワハラ発言をしたリスマネ課長本人が労使交渉に居座ったのは、芸能人大好き焼肉大好き六本木ヒルズ命の嶋岡社長の意向ということです。会社回答は嶋岡名義で出されているからです。》

【会社との条件闘争へ】 

なかまユニオンで条件交渉、賃金交渉をしてもらうことになりました。

  目標は、新人事制度の見直し、チャージアップに応じた給与アップ、チャージアップ以降の期間を遡って給与アップ分の支払い、です。 現在も引き続き交渉中ですが、会社はほぼゼロ回答です。ゼロ回答といっても、JSGUと同じ基本給5%アップは同じです。組合間で差をつけることはできないからです。

 しかし、私たちの要求は制度の見直しがメインですので、ハードルは高いです。そして相変わらず会社のロジックはめちゃくちゃです。 例えば、先述した「リーダー、支店、本社がビジネススキルを評価して、すべての項目で良い評価を取り、かつ支店内のエンジニア20%以内を限度とする」と記載された新人事制度の資料に対して確認した時のことです。

 「絶対評価を相対評価で足切りしてしまうのですね?」と聞くと、統括部部長は「そうです」という返事。「100人の社員が仮に皆同じ良い評価を取っても80%は必ず足切りされるのですね?」と聞くと統括部部長は「そうです」。

 しかし、これはウソでした。「絶対評価で20%は目安です」と次の交渉の場で訂正が入りました。事業統括部の本部長が理解できていないシステム、誤解する資料って会社としてどうなんでしょう? 20%という数値の根拠も不明なので、それを聞くと「あくまで目安です」という回答。絶対評価だから目安いらないよね?と言うと「2万人も社員いるから」という返事。

 会社自体が「絶対評価で適正に判定できないから適当に足切りさせている」と白状しているようなものです。資料に20%と記載しておけば、リーダーや支店が勝手に調整してくれます。これは絶対評価ではありません。 私はほんの少しリーダーをしていたことがあったので、上位リーダーがグループ員の評価を「調節」しているのを見たことがあります。

会社にある問題と向き合おう~エンジニアの地位を上げていこう

  これだけ書いても「どこの会社にも問題はあるだろう」とおっしゃる人もいるかもしれません。派遣エンジニアであれば、大手の企業でも何か問題あることを気づいたり、目にする機会もあるでしょう。 ユニオンさんで他の方の話を聞くと、世間にはとんでもない会社もあるものだと実感します。

 われわれ派遣エンジニアの仕事は、派遣先での毎日の業務が九割を占めます。派遣先はたいてい大企業でしょうから、仕事の内容や環境は恵まれているほうかもしれません。しかし、派遣先の正社員と同じ業務をしているのに、三か月毎の契約で賃金も低いのですから、チャージアップに応じた給与アップを求めるのは当然でしょう。「そもそも派遣先からのチャージアップからして、なかなかされないじゃないか」と言う人もいるでしょう。

 しかし、会社にとって過去最高の賃上げになったのも事実ですし、世間では企業収益は好調でインフレ物価高の状況ですから、これまでのデフレから脱却して大幅なチャージアップはされやすいといえます。 派遣労働者にとってはチャンスです。不安定な地位で賃金も正規雇用と比べて低いです。われわれ派遣エンジニアは無期雇用の正社員であっても、派遣先企業の正社員と比べると非常に低いです。同一労働同一賃金ではありません。

 

エンジニアはマージン率や評価制度を正しく知ることが大切

 あるランクから一般的なマージン率の閾値になるのに数年間搾取され、やっとチャージアップをしてもらっても、ランクはすぐに上がりません。そして人事評価で認められてやっとチャージに見合ったランクに上がっても、マージン率がまた上がってしまい給料はすぐに上がりません。

 そこからまた一般的なマージン率になるには何年もかかり、下手をすれば10年以上搾取され続けます。これでは、チャージアップはただひたすら会社の利益「だけ」を上げている状態です。テクノプロのアウトソーシング業は前年比11%増の収益を上げましたが、賃金は基本給の5%しか上がっていません。 つまり、エンジニアは月々チャージの10%以上の売上げを会社にもたらしているのに、月額売上単価60万ランクの人は約1万2千円~1万6千円しか1年で上がりません。売上単価80万なら1万6千円~2万1千円程度です。

 チャージの2%後半くらいしかバックをもらえていない状態な訳です。このパーセンテージも過去最高の賃金上昇率で計算して、この数字です。 しかし以前なら、10%チャージアップできたなら、会社と折半だったとしても、60万なら3万円アップです。80万なら4万円です。年間にしたら数十万円の差が出ます。そして、これは定期昇給とは別にです。会社にすれば、何があっても毎年1回に最低限2千500円の賃金アップをしておけば労使協定上では問題ありませんし、社員がチャージアップしてランクアップしても10年前後は五公五民で搾り取れる訳です。

 テクノプロの新人事制度は会社にとって最高の金儲けシステムです。ウハウハです。(焼肉社長が)最後にもう一度書きますが、テクノプロデザイン社に就職転職を考えている方は絶対にやめましょう。 すでにテクノプロデザイン社で働いてしまっているエンジニアの方々は転職を考えるか、なかまユニオンに入会してください。または他のユニオンさんでもよいです。JSGUは最悪ですよ。

最後に~なかまユニオンに加入してみた感想~

 なかまユニオンでは無理な勧誘は絶対しません(委員長と話せば分かると思います笑)特定の政党に投票しろとかデモに強制参加などももちろんありません。 お話を聞いてみたい方は、なかまユニオンHPか、私の会社アドレスに連絡してください。以上になります。長くなりましたが、ここまでお読み頂き、ありがとうございました。

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