2026年9月6日、エル・おおさかにて「コミュニティ・ユニオン関西ネットワーク運営委員会 記念講演会」が開催されました。講師には、松下プラズマディスプレイ事件や東リ事件など偽装請負・非正規労働問題の第一人者である村田浩治弁護士をお招きし、「2027非正規春闘への提案、同一労働同一賃金の実現」をテーマにお話しいただきました。
物価高騰が続くなか、非正規労働者の生活は一層厳しさを増しています。来年の「2027非正規春闘」に向け、すべての働く人の待遇改善を勝ち取るための実践的な知識と運動の展望が語られました。
ニューヨーク市に見る「暮らせる権利」と労働運動
講演の冒頭、村田弁護士は昨年ニューヨーク市長選で勝利した民主社会主義者の政策と支援の広がりを紹介しました。家賃凍結や市バス・保育の無償化など、市民の切実な生活問題に根ざした草の根運動が支持を集めた事例です。
これを日本の非正規春闘になぞね、「低賃金を個人の努力不足や企業の都合に閉じ込めず、この社会で暮らしていける賃金はいくらかという共通要求に変えていくことが重要」と指摘。労働組合の枠を超え、生活の要求を全面に掲げて多数派の共感を得ることこそが、運動を前進させるカギになると提起されました。
10月施行のガイドライン改定と現行法の限界
法律の活用面では、パート有期雇用労働法や派遣法に基づく「均等・均衡待遇」と「説明義務」の重要性が解説されました。
- 10月改定ガイドラインの活用: 2026年10月から「同一労働同一賃金ガイドライン」が改定されます。無期転換ルールにおける待遇改善や限定正社員への適用など、団体交渉で武器として使える内容が明確化されています。
- 説明義務の徹底: 会社に対して「正社員との待遇差の理由」の説明を求めることは法律上の義務です。まずは比較対象となる労働者を特定させ、根拠を明らかにさせることが交渉の第一歩となります。
- 派遣労働者の労使協定チェック: 派遣労働者の多くに適用されている「労使協定方式」については、過半数代表者が民主的に選ばれているかなどのチェックが不可欠です。協定自体が無効であれば、原則通り派遣先との比較による均等・均衡待遇を求められます。
一方で、日本の「同一労働同一賃金」は企業内での正社員との比較にとどまっており、中小企業など正社員自体の賃金が低い職場では限界があることも示されました。
「同一価値労働同一賃金」への転換と職務評価
現行法の限界を突破するために提案されたのが、世界の標準である「同一価値労働同一賃金(同じ価値の仕事には同じ賃金)」の視点です。
「職種や企業が異なっていても、責任や負担、感情労働などの価値が同等であれば同じ賃金を支払うべき」という考え方です。厚生労働省の「同一価値労働同一賃金計算シート」などのツールも活用しながら、労働者自身が職場の仕事の価値を客観的に評価(職務評価)し、経験や責任に見合った「地域・職種横断の賃金要求」を作り出していく重要性が強調されました。
まとめ:職場の仲間とつながり、2027春闘へ
最後に村田弁護士は、「法律の枠組みを組合運動の限界にしてはならない」と強調されました。労働組合の役割は、組合員だけの利益追求にとどまらず、未組織の労働者も含めたすべての働く人の生活を守ることにあります。
過去の春闘では、ダイハツ工業のパート労働者の大幅賃上げ(99%ないし71%の賃上げ)や、保育士の時給200円アップなど大きな成果が生まれています。今回の講演を糧に、職場の同僚に声をかけ、仕事の価値と生活に見合う賃金をともに要求しながら、2027非正規春闘の大きな前進をめざしていきましょう。











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