1月11日、企業内保育所の保育士に掃除・洗濯のみの業務を命じ、実質的に退職を強要する事件の労働審判が大阪地裁で開かれた。

訴えられているのは、サービス付き高齢者向け住宅「ナーシングホームさくら」(高槻市、箕面市、池田市)や訪問介護ステーションを展開する㈱A社(高槻市)。同社のホームページには、「家族のように助け合って生きていこう」という言葉が掲げられ、「一人ひとりを大切に、その人らしい生き方を地域で支えます」を会社理念にしているという。

1/11 大阪地裁での労働審判は、12301730まで開かれた。

審判の場に、会社側吉田朋子代表取締役は姿を現さなかった。吉田朋子氏は、申立人組合員2人の入社面接を行なった人物であり、入社後の保育運営を行う上での相談や、保育室の環境等の改善を求める交渉にも全て吉田朋子氏が関わってきた。『掃除洗濯専門職への異動か会社都合の退職を』と迫ったのもそうだ。
 
 しかし、組合員2人が審判に訴え事が大きくなると、他の取締役や会社の人間が表に立っているのである。

労働審判では、まず裁判官(労働審判官)から申立人組合員に対し、これまでの保育士としての経歴、どのような思いを持って保育にあたっていたのか、などの保育に対する質問が時間をかけて丁寧にされた。
組合員が経歴等を答えている間は、会社側はしらっとした顔で聞いているだけ。
その後入社面接時の質問になると、吉田朋子代表取締役の名前が出る度に気になるのか、チラチラと組合員の顔を伺っていた。

その後、裁判官が、まず会社側に会社の成り立ち、会社を何年に設立し、企業内保育所のひとつ高槻保育室はいつ開設したのか?と質問を投げかけたが、取締役はすぐに応えることができず、同席している同会社の人間に確認する。会社の人間は『それはパンフレットを見ればわかるやろ。』と答え、慌ててパンフレットを確認する始末。

更には、今回問題の舞台となった別の企業内保育所・池田保育室を開設した時の経緯、保育室を開設するにあたっての思い等を聞かれた時にも、はっきりと自信を持って答えられるものはなく、パンフレットに必死に目を通しながらしどろもどろに答えていた。

他にも高槻保育室を利用しているお子様の人数や、お子様の人数に対する保育士の対人数の現状、そこに対する今後の対策等について問われても、何一つ正確に把握出来ておらず答えられなかった。

更には高槻保育室の所長の名前さえも覚えておらず答えられなかった。

以上のことから、いかに会社が保育を軽視しているか、保育そのものに何の思いも持っていないということがよくわかった。

会社は、手洗い場が遠いなど劣悪な保育環境の改善を求めた保育士の要求にまともに対応することなく、今回の嫌がらせ退職強要に至るのである。

次回審判は、2月2日15時30分 大阪地裁第5民事部で開かれる。なかまユニオンは、地域での大宣伝行動も計画している。ぜひ、ご理解ご支援をお願いする。

写真は、労働審判後の報告集会。