セクハラ・パワハラ許さない!職場分会・支部の取り組み

10年以上パワハラと闘っているひめじや分会

10年以上パワハラと闘っているひめじや分会の報告です。

序章<パワハラ解雇から職場復帰>

ひめじや分会の藤野です。
株式会社ひめじやは、大正区にあるチェーンを輸入販売する会社です。今をさること10数年前、株式会社ひめじやの先代社長に信頼され経理を任されていた藤野は、2代目社長には疎まれ徹底的なパワハラを受け退職を強要されていました。社長のパワハラをやめさせるため職場の仲間となかまユニオンひめじや分会を結成したところ、不当にも解雇されました。

 不当解雇事件は府労委、中労委、本訴と闘い、勝って勝って勝ちまくって職場復帰を勝ち取りました。毎朝会社に出勤する就労闘争424回行った頃、裁判所での進行協議で、社長は懲りてないはずなので判決まで進みたいと望む私に、裁判官が「会社は貴方を戻すと言っている。私が貴方の会社まで出向き、全社員の前で、お互いに職場復帰後は、正しい労使関係を誓う書面を社長と貴方が読み上げることを見届けます。そうしないと貴方は納得しないでしょう」と言われて職場復帰し裁判は終結としました。

 皆さんの応援のおかげで本年6月職場復帰から10年を迎えます。〝石山社長(仮名)はじめ不当解雇事件に関わった社員も裁判が良い教訓となり、今では働き甲斐のある毎日を送っております〟と記したいところですが、残念なことに1ミリの改善もなく、むしろ裁判経験によって、如何に社員を盾にして石山社長自身は無傷で、私(藤野) をイジメ、退職に追い込めるかしか考えていない結果になっております。長文になりますが、10年間のひめじやパワハラ生活総決算一掃棚卸しさせていただきます。

第一章 <職場復帰1日目に全てを悟る>


闘いを支えてくださった方々に見送られながら社内へ入ると、社長と社員Nが、私の席横で笑みを浮かべ並んで待っていた。机の上にはノートパソコンが一台と電話が据えてあった。他の社員が使っているパソコンは業務ソフトが内蔵されている。ノートパソコンにはそれがない。つまり飾りとしての据え付け。後日の団交で使い道が無いことが判明したので撤去してもらった。以後8年間は、電話があるだけの机の前でポツンと座る日々が続くことになる。しかし社内にはひめじや分会があり、富樫副分会長と分会員1名、計2名の仲間がいたことで心強くいられた。励ましてくれて力になってくれたが、富樫さんが復帰から2年後あたりで嘱託社員満了にて退職し、残りの仲間一名もしばらくして転職することになった。しかしながら、職場復帰から2年あまり、仲間と一緒に過ごせたことは本当に有難いことであった。

 一日の仕事量は30分

仕事内容は金具の在庫を帳面に記入する【金具の在庫引き】であると予め聞いていた。帳面は小遣い帳のような感じで、例えば100個あったものが20個売れたので残80個と書き込んでいく作業内容。出荷によって商品が足りなくなりそうなものを予測して別紙に書き込み、社員Nに提出することも含まれる。この予測をおろそかにすると在庫切れを起こすため単純な仕事ではあるが仕入にも関わる仕事だった。しかし一日の仕事量は30分もあれば十分で、8時間の労働時間には全く達しないことは、すぐに分かった。他の仕事は?と質問したら、帳面のインデックスの付け替えと排紙の整理。FAXの排紙をサイズ別に分けるだけの作業で月に一度程度、10分もあれば出来る仕事。他に何か仕事は?と何日か後にNに質問したら、造花にホコリが溜まっていても、自分たちは忙しくて拭くことが出来ないから掃除をお願いしますと嫌味付きで。

宅急便の受取もさせず

私の席は受け付けカウンターに一番近い場所にあるので、宅配便や郵便(書留)の配達が来たから、自然に立ち上がって対応しようとしたら、猛スピードで他の社員がカウンターに駆け寄り受け取る姿を見て、あぁそういう事かと理解した。電話応対も、資料(商品価格表等)も無いため出来ない。これも自分の仕事に含まれないのだと悟った。午後からは石山社長が2階からシュレッダーの機械を下ろし、1階のシュレッダー機械と並べてシュレッダー作業を翌々日まで。職場復帰一日目から、石山社長と古参社員N、H、私の後任で経理事務として入社した社長の妻らによる嫌がらせが静かにスタートした。入社7年程のKさんも良い人だったが、朱に交わり赤くなりつつある。

第二章<団交の役割が重要となる>

ひめじや分会として、春闘や一時金、職場環境改善も重要課題だったので、職場復帰から8年間は、コンスタントに年3回の団交申入れを行ってきた。それに付随させるような形で、藤野の仕事役割やパワハラに対する内容も議題としてきた。

『罰金制度』廃止など職場改善

第一回の団交で、社員の仕事失敗による『罰金制度』の廃止、サービス残業を無くす為、チャイムで時間のメリハリをつけ、終業時間の5分前から退社するシステム導入も獲得した。春闘や一時金に対しては大まかではあるが、会社の経営状況が分かる資料を確認しながら、一定のベースアップも獲得した。団交開催については順調であった。

突然の体調不良

団交は、この2年間開催できなかった。なぜ2年の空白が出来たかという理由は、ある日突然、藤野に睡眠障害と社内に入ると地声で普通に話せなくなるような症状が表れたことだった。心療内科を受診したら、先生から過度な話し合いなどは避けたほうがいいとの事で団交を休止することとした。診断書も出すことができるとの事であった。この状況を石山社長に伝えたところ、業務ソフトが入ったパソコンが藤野の机に据え付けられ、伝票発行作業の一部と伝票綴じの仕事が増やされた。これはパワハラの自覚があるからこその対応だと解釈できる。

仕事の90%取り上げ

それから2年後の2024年1月5日、石山社長による藤野の仕事90%取り上げというパワハラ事件が起きた。2024年1月25日には、団交を再開し、パワハラ防止法遵守要請も含め話し合った。会社側弁護士は、S弁護士。この弁護士は裁判を請け負った弁護士ではなく、団交用の弁護士。第一回目には「これから社長を教育して労使協調できるよう尽くす」と言ったような発言が記憶にあるが期待外れだった。とにかく目つきが悪く人をよく睨む。威圧してくる。煮詰まった時に「裁判に訴えたらどうですか?」と言われた時は本当にがっかりした。

第三章<パワハラ例・一部ご紹介>

10年間のパワハラを以下に紹介する。
①新人採用面接時に、藤野の取り扱い説明。(退職した新人から聞き取り)2年ほど前から、警戒したのか現在は止めている様子。

②終業後は、社長以下、営業事務メンバーによる、藤野の悪口の言い合い。(退職した新人より聞き取り)「凄いです」と。

③真向いや、対角に机が面している間に、非常に不自然な仕切りや紙を垂らしたりして、孤立の推進と他者から嫌がられていることの表現。

④年末年始挨拶は、藤野以外の社員には、石山社長、社員N、H、Kは練習したように一斉に立ち上がり挨拶するが、藤野の時には座ったまま顔を逸らし蚊の鳴くような挨拶。

⑤社内を歩かせない。普通、社内なら、例えば伝票を倉庫まで持っていく等の必要が発生するのが当然だが、徹底して自席からの移動を許さない。他の社員と接触、会話を許さない。もしそれが発生したら、たちまち社員N、Hから会話内容の聞き取りがあるはずで、何も知らずに入ってきた社員も、既存社員から、藤野に近づいたり、会話すれば、石山社長に睨まれるので注意するようにと伝達しているはず。関東にある営業所へも、復帰後一度も連絡もしたことがない。それにまつわる仕事もさせない。

⑥社員Hは、退社したSさんと、よく目前で筆談。感じが悪かった。

⑦社員Hは、終業が近くなると「えぇ~!もうこんな時間!がんばって片付けないと!」等と聞えよがしに。繰り返されると偶然ばかりではないような。

⑧夏に飲み物に冷蔵庫の氷を使ったら、数日後、他の社員用の氷入れが準備してあった。スプーンを使ったら、ふた付きの容器を準備してスプーン隔離。買うことが出来るのは、石山社長嫁だけ。

⑨来客の手土産や、近隣工場工事などで「皆さんで」と挨拶に持ってくるお菓子などは、私には配られない。

⑩年末、新年の卓上カレンダーを、藤野以外の営業事務社員には配る。

⑪タイムカードの置き順を無意味に上げ下げする。

⑫仕事量について再三の団交により、石山社長が準備したのは自社製品のカタログ作り。A4サイズのポケットファイルに、印刷された用紙を差し込んで仕上げる作業。顧客用のカタログだが一年に30冊も要請されないもの。それを約二年間で3,000冊以上完成させられた。この話にはオチがあって、商品が廃盤になったり、新商品追加などで、現在は、カタログとして使えなくなっている。

⑬顧客に郵送する伝票の送り間違いが発生した時、社員Kが「自分のミスです」と言っているのに、社員Hに、藤野のミスのような言い方をされた。

⑭伝票を整理する為に準備していたクリップが、休日後、出社したら無くなっていることが多い。非常に細かな仕事の工夫も、他の社員がしても良いことが藤野では許されない。

⑮郵便物は終業前に封を閉めるのだが、セロテープを貼る作業すら、郵送先を藤野には見せたくないような場面を、石山嫁に多く見せられたので手伝うことも止めざるをえなくなった。

⑯石山社長と親交の深い近隣の工場の名も知らない人に、道で出会うと睨まれる。

⑰全社員が参集する朝礼で、名指しはしないが明らかに藤野を指した一方的な解釈による注意を石山社長により何度も繰り返された。(終業時間の最後1分前に片付け始めている。最後の1分迄、仕事をするように等)この件に関連してか、最後の1分に合わせて、仕事を渡され、何度もどうするのか様子を確認された。

第四章<救世主・パワハ防止法出現>

2022年4月1日から全企業にパワーハラスメント防止のため雇用管理上の措置を講じることが義務化された(いわゆるパワハラ防止法。略称:労働施策総合推進法)。

1、身体的な攻撃(暴力・障害、殴る、蹴る、故意にぶつかる、ものを投げる)といった行為。

2、精神的な攻撃(脅迫・名誉棄損・侮辱・ひどい暴言)人格の否定等。

3、人間関係からの切り離し(隔離・仲間外し・無視など)物理的な隔離と集団無視のような精神的は切り離しの双方が該当。特定の従業員にのみ回覧物や業務報告をしないことや、部署内の人間による集団無視などによって孤立させるといった状況。

4、過大な要求(業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制・仕事の妨害)が該当。

5、過小な要求(業務上の合理性なく能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えない)こともパワハラに該当。仕事をまったく与えないことも含まれる。さまざまな経験と能力をもつ者に対し、経験や能力をまったく生かせない業務しか与えないことや、他の従業員が忙しくしているのに仕事を与えず、仕事の依頼をしても取り合うことをしない状況。

6、個の侵害(私的なことに過度に立ち入る。しつこく質問することや本人の了承なしに第三者に吹聴すること)この6類型はあくまで代表的な例として、厚生労働省が表記している。

これらにより事業主は、

1、事業主の方針等の明確化および周知・啓発

2、相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備

3、職場におけるパワーハラスメントに関する事後の迅速かつ適切な対応

4、併せて講ずべき措置として、関係者のプライバシーを保護できる環境を整えること。また安心して相談できる環境の要件として解雇やその他不利益な取り扱いをされない旨を定め、これらの環境が整備されていることを、労働者に周知・啓発する必要が求められる。

労基署にも相談

私自身の現況に値するパワハラが多く存在していることから、組合員という立場でなく管轄労働基準監督署への相談も行ったところ、「パワハラ防止法について照会の一任」という措置を受任いただくことができた。これによって事業主がパワハラ防止法遵守を行っているか労働局に対応ができているかのチェックを頼めたことになった。実施の時期、会社の返答等、藤野個人に返答はできないが、拒否されていた事項が動いたりすれば労働局が動いたと思ってくださいとの事。労基に組合員として定期的な団交申入れにより、適正な仕事の獲得、健全な職場環境を求めていくことも伝えている。

すぐ辞める新入社員

職場復帰から10年、その間に十数名、新入社員を迎え入れていますが、すぐに辞めていきます。社長は、私の存在のせいにしているかもしれませんが、それは大きな間違いです。会社の雰囲気も悪く、イジメに加担しないと成立しない人間関係に嫌気がさすからです。石山社長に媚びへつらうことが出来る人間しか、ひめじやでは生きれない。解雇前の社長の印象的な発言を振り返ると「人の代りは、なんぼでもおる。パズルが抜けたら埋めたらええだけや」果たしてそうでしょうか?従業員を奴隷のように扱う事業主に明るい未来があるとは思えません。道のりは遠くとも労使がバランスよく協調することで、経営者と労働者が共に明るく生活できることを目指したいと思っています。どうぞ、ひめじや分会の活動にご協力のほど、これからもよろしくお願いいたします。

                              ひめじや分会 藤野

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