会社辞めたい労働相談退職代行サービス

GW明けは退職代行が大忙し?退職代行を考える

 大型連休明けは、大人も子どもも「会社(学校)行きたくないなあ」と憂鬱になりますね。楽しいゴールデンウイーク休暇から、またいつもの社会生活に戻る。良い会社なら良いけど、自分にとって辛い会社なら会社を辞めたい人も出てくるのは当然です。そこで今流行りの【退職代行サービス】を利用して、会社を辞める人が増えています。退職代行というサービスと労働組合、という観点から記事を書いていきます。この2つの違いを知らないと、いつの間にか損をしているかも知れません。

労働組合、なかまユニオンは相互扶助団体です(立場表明)

 なかまユニオンは相互扶助団体として、自分の争議が終わったら他の人の争議も助ける、会費も毎月きちんと収めていただく、というスタイルの労働組合です。現在は退職代行というものは行っておりません。辞めたいのに辞められないとか、辞める時に会社側とトラブルになった時は、駆け込み寺として来てみて下さい。

2024年の大型連休GW明けの7日

 最長で10連休となった2024年GWの大型連休ですが、長期休みが明け会社を辞めたい人が急増しています。前述の通り、自分にとって辛い会社に行くのが嫌だ、となる心理はよく分かります。

 筆者は退職代行の記事を読みながら、コロナ禍の頃を思い出しました。コロナ禍では2週間程の長期休養や長い自粛期間があり、やはり休暇明け退職を考える人が増えたそうです。長期休暇は考える余裕が出来るのが理由です。しかしX(旧Twitter)で、面白い投稿を見かけました。「休暇明けにね、会社に行くでしょ。好きな会社だったら戻ってきたなって安心する。嫌な会社だと退職を決心する。」

 「なるほど、そうやって見分けるんだな」と感心しました。GWやお盆明けなどが、会社に行って「ここダメだわ、転職しよ」となるタイミングなんですね。

退職代行でブラック企業を去るのは全てが悪いことではない

 退職代行サービスは、ハッキリ言って労働組合や労働者側弁護団からの評判は、決してよいものではありません。しかし、心身共に限界でとにかくブラック企業から離れたい人には、決して悪いサービスではありません。GW明け仕事に行きたくない人は、心が限界だからなのか、5月病で怠くなっているだけか見極めるべきかも知れません。

①退職を言い出せない環境から抜け出せる…辛い環境から早く抜け出し、休養期間や新しい仕事探しを始められます。

②バックレるよりは良い…損害賠償に発展する場合もあり、会社側から無駄に裁判を仕掛けてくる場合があります。退職代行に依頼して退職を伝えてもらうのは、ありです。また会社側も、すぐに解雇にして良いか迷う、もしや失踪や事件に巻き込まれたのではないか、と調査する時間が発生してしまいます。

③心身の健康を一番に優先すべきだから…パワハラの横行、残業代が出ない、過重労働などの過酷な労働環境から早く離れるのが一番です。

※しかし一般的な地域労組は、退職代行(というか退職時のあらゆるトラブル)に、幅広く対応していますし、臨機応変に解決します。退職代行だけに焦点を絞っていて、なぜその労働問題が起こったか、このご時世だから何度もブラック企業に入ってしまう懸念はあるのでは、と思います。

退職代行というサービスとその範囲と種類

 一口に退職代行サービスと言っても、どんな形の退職代行があるのでしょうか。会社辞めたい、即日退職したい人は急ぎがちですが、どんな種類のサービスがあるか見てから決めましょう。

①一般企業が行う退職代行サービス…この場合、単に企業にいくらか代金を払って「辞めます」と言って貰うサービスです。エプロンや入館カード等の借りている物を返してくれますし、心が楽ですね。

②一般企業+弁護士(もしくは弁護士のみ)の行う退職代行サービス…こちらは交渉によって、退職に伴い、余っている有給の買い取りや残業代の請求などが行えます。

③退職代行ユニオン…こちらも上記と同じく、労働組合ですから、交渉によって有休消化、残業代請求、退職金請求が出来ます。

※注意点…『①の退職代行』と『②と③の退職代行』を比べて見て下さい。①は単に代金を払って借りた物を返す。②と③は《 交 渉 》によって、有給や残業代について話し合い、その分は得しているわけです。労働争議において、退職時に《交渉》を行って良いのは【労働組合】【弁護士】だけです。資格を持たないものが交渉を行うことは『非弁行為』にあたり、違法行為となります。

アルバイトで残業や退職金の無い方は①の退職代行で良いでしょうが、正社員や派遣社員で有給や残業代、退職金を請求したい場合は、②と③の退職代行サービスを選んだ方が良いでしょう。

地域労働組合の性質と退職代行ユニオンの性質の違い

 ここで『なかまユニオン』のような地域労働組合と『退職代行ユニオン』の違いについて考えます。

①地域労組…相互扶助団体であり地域にあり、一人から入れるユニオン。長く一緒に闘って貰える人が居ると嬉しい。

※メリット:扱う争議の幅がとにかく凄く広い。ハラスメントや過労鬱、残業代請求、企業が応じない要求にも(不利益変更、無理な配転)に凄く広く対応できる。労働委員会からきちんと認定を受けており、長く労働活動をしている団体も多い。なかまユニオンなら加入金2,000円+毎月の組合費で色々相談できる。

デメリット:自分の争議が終わったら他の方の支援もしないといけない。毎月1,000~3,000円くらいのランニングコスト(組合費)が掛かる。

②退職代行ユニオン…長く一緒に闘う同士、ではなく「さっさとブラック企業から離れたい」という需要に応えてくれる。

※メリット:嫌な会社からさっさと去ることが出来て心理的負担が少ない。退職したら終わりだから至ってシンプル。

デメリット:労働組合からみて退職代行ユニオンは「退職代行を専門にするなら労働組合ではない!」という批判もある。正式な認定を受けていない労組は、非弁行為をする団体と見做される場合がある。そしてそれなりの値段を取るのに、してくれるのは退職代行のみです。

筆者(なかまユニオン執行委員)の私的な考え

 労働組合と聞くと大手企業の内部労組を思い出すと思います。組合費は自動でお給料から引かれています。地域ユニオンなら今時は、毎月引き落としで組合費が落とされます。大手労組や企業内労組は高い組合費を取っている場合も多いです。

なかまユニオンは、《組合費500円~3,000円》で、一番高い値段の人はそれなりに年収が高い人です。解決金からのカンパは1割だけ求めています。残業代や退職金が仮に20万円取れたら、2万だけカンパして下さい、というシステムです。

 退職代行サービスは、基本的に退職することだけを行います。アルバイト・パートなら『19,800円(税込)』正社員・派遣社員・契約社員・内定辞退など『29,800円』と書かれています。退職代行サブスクは年2回退職代行してくれるだけなのに、『月額3,300円』です。正社員とその他非正規雇用・内定辞退の区別も付いていないサービス、私は怖いです。

 そんなに高いお金を払って、退職して、後は守ってもらえない。損得勘定だけなら、損だと思います。しかし、それでも早く嫌な企業から去りたいんだ、とか、対面で辞めたいと伝え辛いという人には良いサービスなんだと思います。

なぜ退職代行サービスが批判されるのだろうか?

 【労働組合】とは、労働者の地位を向上、職場環境を改善するための組織です。それは戦後からずっと、労働者を守り、その地位を上げてきました。退職代行をサービス化し、ただ高い代金だけを貪るのは、労働組合ではありません。お金を払えば人を辞めさせられる=労働者(労働力)をモノ扱いしていることに違いありません。

 退職代行という行為は、労働組合に認められた権利の、ただ1つだけを行っているに過ぎません。また労働委員会において正式に認定されていないなら、退職代行ユニオンも危ういサービスのひとつです。

ゴールデンウィーク明けは、退職代行サービスに駆け込む労働者が増えます。利用する前に、認定を受けた退職代行ユニオンかどうか、有資格者(弁護士)が居るか、確認した方が良いですね。

終わりに:退職代行とユニオン

 今回は退職代行サービスについて考えてみました。労組という立場で少し批判的な書き方になってしまいましたが、如何でしょうか。筆者としては、退職代行のサービスを何回も使わなければいけない、それ自体が社会問題なのだと再認識しました。※地域労組に入ったら気軽に相談や交流会もあるし、トラブル時はいつでも、力になれるよ、と宣伝活動しておきます♪

退職代行の流行る、その労働環境を根本的に改善をしていくのが、労働組合の使命なのかと考えます。GW明け怠いでしょうが、お仕事お疲れ様です。ここまで読んで下さり、ありがとうございました。

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