男女平等社会を変える

「母の日」と無償労働(365日24時間休みなしで働く仕事)

 2024年5月12日(日曜日)は『母の日』ですね。母の日のプレゼントの定番は花でしょうか。『カーネーション』『バラ』『アジサイ』等の、アレンジブーケや鉢植えが人気ですね。しかしお母さんの多くが望むのが「自分の自由時間」「家事をしないで済む一日」なのはご存じでしょうか?

 今回は労働組合の記事として『母の日と母の無償労働』を考えてみました。女性も共働きしなくてはならなくなった、また男性が育休を取る体制が整っていない、この日本では家事の負担は女性に偏り過ぎます。母の日に寄せて、この問題を考えたいと思います。

母の日の感動動画。休みなく働く母たち。

まずはこちらの動画を見てみて下さい。

 【人材募集、リモート面接】…ネットと新聞で人材を募集、そして面接開始。面接官は面接者に『この面接を受けたことがありますか?』と問います。全員がいいえ、と答えました。この仕事は【現場総監督】ですと説明が始まります。

①仕事の責任は広範囲で流動的です。②立ち作業と屈む作業が24H続きます。③休憩時間は無しです。④週135時間かそれ以上働きます。⑤ランチは同僚全員が食べ終わってからです。⑥交渉力と交際力が求められます。⑦自分の私的な時間は無くなります。⑧この仕事の報酬は『0』です。

面接者たちは信じられないという顔で「ありえないでしょ」「非人道的だ」と言いました。しかし面接官は続けます。「いま現在、この瞬間にもこの役職に就いている人がいます。それも数十億人くらい」女性が「誰がその職に就いてるの?」と聞くとこう返ってきました。

「「お母さんたちですよ」」

男女差は5倍違う!?家事の負担や時間の格差を考える

【日本の家事は女性に偏る】…日本の女性は男性の5倍も家事をしているそうです。6歳以下の乳幼児を育てる夫婦では、妻の負担は顕著に上がります。「家事・育児・介護時間」と「仕事等時間」の合計時間については,期間を通じて,共働き世帯の妻が最も長い。

 夫婦の家事分担「妻9割」
 共働き夫婦でも「妻7割」

 全国の既婚男女2,350名に対して、家事の分担割合を聞きました。その結果、最も多い回答は妻9割(女性:34%、男性:28%)でした。妻10割(女性:23%、男性:8%)の回答は男女で差が見られ、家事分担の認識が夫婦で異なることが伺えました。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000043.000015237.html (参考:リンナイ調査)

【国際的にみる家事分担】…どのような国でも、男女比較して女性の方が家事・育児に携わる時間は多いものの、その差はおおよそ2倍前後に留まっています。

※どの国も有償労働時間は男性の方が長いが,各国において男女比(女性を1とした場合の男性の倍率)を見ると,男女比が大きいのは,比較国中,1.7倍の日本,イタリア,1.6倍のニュージーランドである。

https://www.gender.go.jp/index.html (内閣府男女共同参画局)

無償労働時間が長いのは,イタリア女性(306分),スペイン女性(289分),ニュージーランド女性(264分)となっている。また無償労働時間が短いのは,比較国中,日本男性(41分),韓国男性(49分),イタリア男性(131分)となっている。無償労働時間のOECD平均は,女性262分,男性136分となっている。

どの国も無償労働時間は女性の方が長いが,男女比(男性を1とした場合の女性の比率)を見ると,男女比が大きいのは,比較国中,5.5倍の日本,4.4倍の韓国,2.3倍のイタリアとなっている。

「家事・育児」に加わる「介護負担」

「老老介護」という言葉が、いつの間にか普及してきましたね。今時の60代は元気な人が多いですが、それでも若者に比べると心身共にハツラツとはいかないです。育児が終わり家事の負担も減り、ようやくホッとしたのも束の間、今度は「親の介護」問題が出てきます。この介護の負担も女性に重くのしかかります。介護の担い手の状況を見ると,同居の主な介護者のうち約7割が女性となっています。

男性の過労や蔓延するブラック企業

 【男性にとっても良い社会なのだろうか】

 男性にとっても現在の社会の働き方は、過酷なものだと思います。経済が不安定になるにつれ、ブラック企業が横行し、なかまユニオンに相談に来る労働者も増加しています。家族のために、ブラック企業と分かっていても、解雇されないように、周りに合わせ、お給料のために我慢して働いている男性も多いです。一般的に男性はストレスを溜め込んで、体調を壊すまで我慢するそうです。ブラック企業で困ったことがあったら、なかまユニオンにご相談ください。

 男性労働者の大変さは分かります。しかし、それを置いても尚、日本の男性は明確に「女性より圧倒的に家事をしていない」のです。統計が明らかにしています。共働きの夫婦で似たような仕事をしているのに、妻に家事を押し付けている夫も多いことでしょう。この30年間、何も変わっていなかったのです。母の無償労働問題。

 ※ここからは私的な意見です…家事をしないことによって、楽を出来ていると思う男性も居ると思います。それは例えるなら『電車で割込みして椅子に座れてラッキー』と思っている人と同じです。周囲で見ている人は呆れますよね。家族も呆れているということです。

アンチ・フェミニズムと家事…女性が政治的な意見を言ったり、家事分担の話をすると、怒ったり女性を冷やかす男性が居ますね。結婚や家事の話になるのですが、結婚できないのは女性のせいではなく【貴方たち男性の男親、祖父のせい】ですよ、と言いたくなります。『男子厨房に入るべからず』等と言い男性に家事をさせず、結果、現代の男性も家事が出来ない、それを見て女性は結婚したがらない。

貴方たち男性は、家事育児能力を身に付けるという面では【先祖代々、男親から虐待を受けていたんですよ】と思います。海外の男性が独身でも長生きなのは、自分の身辺は自分で整えられ、家事もこなすので一人暮らしでも支障がないからだそうです。

無償の愛と呼ぶには酷すぎる無料の家政婦

 母親ばかりが背負う無償の家事労働と、自分の自由時間を確保するための、夫への感情労働が発生します。家事を切り盛りしつつ、家族への情緒的配慮を必要とする、まさに現場総監督と言えます。

【感情労働とは】顧客の精神を適切な状態に導くために、自分の感情が触発され、または感情を制御する職務に従事する【顧客の精神と感情との協調:精神と感情の同調】が必要な労働のことをいいます。

労働内容が自身の感情へ及ぼす影響が大きく、かつ会社からの管理・指導で、本来の感情を押し殺して業務を遂行することが求められます。

 身体を使って賃金を得る「肉体労働」、思考力、判断力、想像力など、頭を使って賃金を得る「頭脳労働」に対して、「感情労働」とは、感情を使って、配慮し、思考し、対話することで賃金を得ます。対人関係のある仕事に従事する労働者の多くが、様々な場面で自身の感情の管理を求められ、感情を労働力として提供しています。

《看護師・ケアワーカー・介護士・コールセンター業務・教師や保育士・販売員などのサービス業》

母の日はお母さんの無償の愛に想いを馳せてください

いろいろ書きましたが、母親は1年の365日、数十年もずっとお母さんです。お母さんでなくても、お母さん的な役割を担っている、社会人の女性や、ヤングケアラー状態にある女の子など、すべての無償労働について、私はこの記事を読む貴方と、一緒に考えて行きたいです。ここまで読んで下さりありがとうございました。

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