
――A社・Hさんの労働審判勝利解決を祝う集会が開催
西宮市立勤労会館において、なかまユニオン阪神分会(竹村務分会長)の主催による「A社・Hさんの勝利和解・報告集会」が開催されました。会場には組合員や地域の連帯労組、支援者らが集い、理不尽な攻撃に屈せず最後まで闘い抜いたHさんの勝利を全員で祝福しました。

争議の経緯――理不尽な減給と嫌がらせを跳ね返し、労働審判へ
設備機器製造を手がけるA社に正社員として入社したHさんは、アーク溶接や床上操作式クレーン、玉掛けなど多数の資格を持ち、溶接作業に従事してきた熟練の溶接工です。11年間にわたり無事故・無欠勤で真面目に勤務し、懲戒処分を受けたことも一切ありませんでした。
ところが、社長夫妻に対する呼称などを口実に「態度が悪い」「作業指示に従わない」などと理不尽な難癖をつけられ、会社側から執拗な退職勧奨や解雇通告を受けるようになりました。あまりの一方的な仕打ちに納得がいかないHさんは、2025年9月になかまユニオンに加入。ユニオンは「就業規則上の要件を満たしておらず不当解雇である。退職勧奨であれば拒否して闘う」という方針を打ち出し、支援を開始しました。

退職強要を跳ね返すと嫌がらせがエスカレート。労働審判へと移行しました。
退職強要が跳ね返されると、会社側はさらなる報復として役職手当や資格手当を一方的に剥奪し、賃金を2割カットするという激しい減給攻撃や、監視カメラによる執拗な嫌がらせを行いました。なかまユニオン阪神分会は5回にわたる団体交渉を行ない、工場内立ち入り調査を一度は認めさせる所まで押し込みましたが、抗議と是正要求も聞き入れず不当な態度を崩しませんでした。事態を打開するため、八木弁護士や伊東弁護士をはじめとする弁護団とともに闘いの場を労働審判へと移しました。
審判では極めて厳しい攻防が繰り広げられましたが、組合と弁護団の強力なバックアップを受け、Hさんは怯むことなく対峙しました。その結果、職場復帰こそ選ばなかったものの、大幅な減給攻撃を跳ね返し、本人にとって十分に納得のいく解決金(経済的補償)を勝ち取る完全勝利和解を成立させました。
集会の様子――弁護団報告と地域からの温かい連帯
集会は二部構成で進められ、冒頭にはT分会長より闘いの経過が報告されました。次いで 八木和也弁護士と伊東優弁護士から労働審判の経過と特徴について詳しい報告が行われました。続いて乾杯と歓談が行われた後、後半の連帯アピールと文化プログラムへと移りました。
なかまユニオンの井手窪啓一委員長は、「受けた支援は運動で返すという言葉があるように、苦難を乗り越えて掴んだこの貴重な経験を、次は同じように悩む仲間の支援に生かしてほしい」と激励の言葉を贈りました。また、尼崎武庫川園労働組合の山川委員長は、自らの組合が過去に激しい退職強要と闘った歴史を振り返りつつ、Hさんの悔しさに深く共感を示し、人手不足が続く福祉現場での労働相談活動を伝えながら連帯を呼びかけました。さらに、宝塚市保健福祉サービス公社不当解雇撤回裁判原告からも、別件裁判や解雇撤回裁判を闘い抜く決意を込めたメッセージが代読されました。続いて登壇したHさんの配偶者は、突然の解雇通告に直面した当時の動揺や、会社からの嫌がらせが続く中で抱えていた不安を語りました。「一人では絶対に闘えなかった。分会の皆さんや弁護士先生の的確な助言と支えがあったからこそ冷静に立ち向かい、この勝利に繋がった」と、心からの感謝を述べました。
後半の文化行事では、西宮市議選を目指して活動する広田和也さん(なかまユニオン組合員)が沖縄三線の力強い演奏とカチャーシーを披露し、会場を大きく盛り上げました。さらに阪神分会Tさんらによるエイサー演舞「ダイナミック琉球」や、八木弁護士によるBEGINの楽曲演奏など多彩な出し物が披露され、会場は大きな手拍子と笑顔に包まれました。あわせて、MDS阪神地区委員長のMさんからも「個人の勝利にとどまらず、後に続くすべての人を勇気づける共同の勝利だ」との力強い連帯の挨拶が寄せられました。

Hさんのお礼と決意――自らの経験を活かし、次は支える側へ
参加者から祝福の花束を受け取ったHさんは、支援への深い感謝とこれからの決意を語りました。
争っている間は不安や強いストレスが頭と心から離れることがなく、労働問題を乗り越えるには相当な強さが必要だと痛感したと振り返りました。その上で、途方に暮れていた自分と真剣に向き合ってくれた阪神分会や弁護団への感謝を口にし、「昔から自分は人に恵まれてきた。今度は自分が知識を身につけ、持ち前のガッツを活かして、困難を抱える労働者の手助けができる存在になりたい」と力強く抱負を述べました。
理不尽な不当解雇や賃金カットに対して声を上げ、労働審判で正当な権利を勝ち取ったHさんの闘いは、現場で孤立し苦しむ多くの労働者に大きな勇気を与える結果となりました。なかまユニオン阪神分会は、今後も職場におけるあらゆる権利侵害を許さず、地域の仲間と共に連帯の輪を広げていきます。







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