突然、遠方の地域の職場へ異動することに

　衣料品販売店で働くMさんは、2人の子供をもつ母親です。勤続約30年になる会社は、赤字を理由に希望退職募集や退職勧奨を行っていました。Mさんには退職勧奨の声は掛かりませんでした。しかし会社の組織発表の2日前に、突然上司に呼ばれました。働いている市内の職場から、遠方の地域の職場への異動を内示されました。

てんかん発作を起こしていたMさん

　Mさんは、1年前に突然てんかん発作を起こして倒れていました。その際に、脳波の異常が見つかりました。医師から睡眠不足や過労は発作の誘因になるので、注意するように言われていました。 これも一つの退職へのステップだと考え、なかまユニオンに相談したMさん。　

病院から診断書をもらう

　Sさんは、内示のあった朝に、すぐに病院に行き診断書をもらいました。上司に対し「今でもギリギリの睡眠時間なのに、遠方への異動は、これまでより往復の通勤時間が１時間半も増えることになり、応じられない。」と伝えました。しかし会社側は「家族に家事を手伝ってもらえ。」と言って、異動を撤回しようとしませんでした。

ユニオンからのアドバイス

　ユニオンのアドバイスを受けMさんは、上司に「どうしても行けというなら、業務命令違反で解雇してくれてもいい、私も対処を考える。」と伝えました。上司も発作のリスクを考えてくれ、異動は撤回されました。