2024年12月中旬、勤めていた奥野病院よりいきなり前触れもなく、「1月15日で病棟閉鎖し病棟スタッフ全員解雇」という話を口頭にて聞き、看護師のAさんとBさんは呆然となった。12月13日頃だった。ギリギリ1か月前に言ってきたのだ。それは突然の解雇だった。

藁にも縋る思いで、なかまユニオンに訪れた2人。

責任者である院長は全く病棟に現れず、その父親の総院長に数人で詰め寄るも理由はたった3文字、「コロナ」とだけ。謝罪の文言は一切なし。年末年始をはさんだこの時期に急に仕事など探せるはずもなく…。
「なぜもっと早く言ってくれなかったのか」と問うも、「ギリギリまで自分はやれると思い一生懸命頑張ったのだ」との一点張り。「有給は買い取る」と言っておきながら「全部は買い取れない」と数人呼び出し急に解雇したり、横暴さに怒りが沸き、どうすればよいか、なんとか懲らしめられないかと藁をもすがる思いでなかまユニオンにダメもとで相談に行った。なぜダメもとだったのかと言うと1か月前にいえば法的には問題なく解雇できるから。
しかし、井手窪委員長と書記次長は、「これは突っ込み所がいっぱいある」とアドバイスし、同じよ
うな思いを抱いていた、上司の師長さんと一緒に、奥野病院相手に団体交渉を行うことにした。直属の雇用者の院長に対し、謝罪と3か月分の給与を要求事項として、団体交渉に2人は臨んだ。
Aさんの解決事例と感想。団体交渉の意味を理解できていない病院側。そういった経営者は実は多い。
Aさんの感想はこうだ。病院側は団体交渉の意味が理解できていなかったと感じた。「説明会をする」などの返信が院長からではなく、なぜか総院長から来たり、団体交渉になるまでも時間を要した。
やっと2月14日に1回目の交渉になった。長期になりそうな感じもあり、Aさんは精神的にも挫けそうになった。しかし委員長は強く相手に立場をわからせるよう訴えてくださった。「きっと師長さんと自分の2人だけでは邪険にされていたことと思う。」とAさんは振り返った。
満額回答では無かったけれど、納得のいく解決が出来た。あの時たった一言謝罪があれば揉めなかったかも知れない。
労働組合のパワーで、団体交渉は3回で終了した。要求は謝罪と1か月分の給与相当を支払う事だった。満額とはいかなかったが、それで折れ、事件は3月6日に解決した。たった一言、解雇にあたって”「急で申し訳ない」の言葉さえあれば、こんな事にはならなかったのに…。
言葉って大事だと本当に思う。”とAさん。
「従業員を軽視してはいけない。謝罪をここまでしないと述べなかった人だが、協定書には謝罪の言葉が書かれた。団体交渉で勝ち取ったこの言葉の意味は大きいと感じている。尽力してくださった委員長には感謝の気持ちでいっぱい、本当にありがとうございました。そして一緒に戦って下さった師長さん、ありがとうございました。」という感想を寄せてくださいました。
Bさんの場合。これ以上は給料を払えない、と言われるばかりだった…。
Bさんは夫婦でこの病院に勤務しており、役職も付いているため、12月1日事前に病棟を閉鎖するという話を聞かされました。納得いかずに抗議しました。しかし病院側は「いろいろ努力したが、赤字続き。これ以上給料を払うことができない」の一点張りでした。

夫婦で一辺に解雇され、路頭に迷うことになったBさん。
Bさんの夫は放射線技師をしており。総院長から「今後は自分がレントゲンを撮るので教えてほしい」と頼まれました。「CT は使うことはない」と言い切っていましたが、2~3日すると「残る看護師にレントゲンCT の手技などを教えてあげてほしい」と言い出しました。いつでも言
っていることが二転三転していました。
急な解雇を突きつけられ、夫婦共倒れです。Bさん路頭に迷いました。「身の振り方を考えるように」と、酷いことを、サラッと言われました。
急な幹部会議に疑問を持った
12月9日に幹部会議を開き、病棟閉鎖の話をすると言いましたが、院長の試験が10日にあるので支障が出たらいけないからとのことで、12日に延期されました。もともと院長は、会議に一度も出席したことがないのに、何の支障があったのか。Bさんは疑問を持ちました。 結局、院長は12日の会議にも顔を出しませんでした。経営者ですが、全く自覚のない対応です。さすがにこの日は職員に説明するべき
でした。
このまま泣き入りする事は出来ないと、Bさんは、なかまユニオンにやってきました。
このまま泣き寝入りをすると、向こうの思うつぼだと思い、ユニオンに力を貸してもらう事にしたBさん。快く受けてもらえ、心強かったといいます。労働組合と一緒に、相手側と3回団体交渉しました。
院長は「内科のことはすべて総院長に任せてあるので、説明や謝罪のことは考えていなかった」と言っていました。意味がわかりませんでした、とBさん。3月いっぱいで職員全体を解雇するといっていましたが、撤回(*注)されました。何がしたいのでしょうか?これからもいろんな課題が残る病院だと思います。委員長が圧をかけてくれなかったら謝罪は夢でした。ありがとうございました。(Bさん談)

*編集注 閉鎖されたのは内科病棟で、別に不妊治療外来がありました。内科の人員を配転して解雇を回避する選択肢があると組合が主張したのに対し、病院側はそこも全員解雇すると言っていましたが、撤回されました。
終わりに
解雇予告を1カ月前に出したからといって、十分に協議せず一方的に解雇することは出来ません。病院内で配置転換が出来る場合や、赤字による整理解雇ならば、経理状況を資料を示して、説明を尽くさなければなりません。一方的な解雇や整理解雇でお悩みの方は、一度相談してください。







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