教職員の闘い春闘

大阪総行動を開催

ホームテック4人解雇に抗議

 3月24日のおおさかユニオンネットワーク春闘大阪総行動に、今年も組合員7人で参加した。

 午前中の抗議申し入れの最初の相手は、外壁塗装のホームテック株による4人解雇事件。4人は電話アポインターで全員天六ユニオンの組合員。解雇の理由は、それぞれ「クレームが来てる」「ポットの電源切り忘れ」「(在宅勤務の)勤務態度が悪い」「NGトークをした」という、解雇するためのあら捜し、後付けの言いがかり。団交では一斉に退席する等、居直りを続けている。

 2番目の藤原運輸は、藤原生コンの親会社。藤原生コンは、連帯労働組合関西生コン支部の組合員を狙い撃ちにして雇止めしており、大阪府労働委員会が組合つぶしの不当労働行為であるとして、雇止めを撤回するよう命令を交付しているにも関わらず、これを全く無視している。団体交渉には応じるもののまともな交渉を行おうとしない。

大阪市教育委員会への申し入れ

 午後は、教職員なかまユニオンが、大阪市教育委員会に対して『労働環境と労務管理制度の根本的改革を求める要請書』(後掲)を提出し、安心できる介護を!懇談会が大阪市に対して要請書を提出して、それぞれ回答と交渉を求めた。

 その後、毎年門前集会を続けている介護施設山紀会の組合潰し・不当な労務管理に抗議の申し入れ(ケアワーカーズユニオン)。最後は教育合同労組が府教委前で、「講師(非正規任用)の次年度継続雇用要求は団交事項だ!」の声をぶつけた。

教育合同労組の大阪府教育委員会への申し入れ

 申し入れの場で直ぐに回答にはならないが、年に一度でも、不当な企業や役所の玄関前で100人規模で拳をあげる要求行動は、その後の要求実現の土台になっていると再確認できる一日だった。 

(資料)

大阪市の学校教育の民営化と 公教育の崩壊を食い止めるために、教職員の労働環境と労務管理制度の根本的改革を求める 要請書
                                2023年3月24日
大阪市教育委員会
教育長 多田 勝哉 様
              おおさかユニオンネットワーク 代表 西山 直洋
              教職員なかまユニオン       代表 山田 光一
              (本件連絡先 090-1914-0158 笠松)


前略。以下の6点を要請し、回答を求めます。

〇 私たち「おおさかユニオンネットワーク」は、大阪の地域ユニオン・労働組合が連携してつくる労働運動団体です。「教職員なかまユニオン」(なかまユニオン・学校教職員支部)も、その参加団体です。
  私たちは今日、「大幅賃上げ」と「労働条件の改善」を要求して、春闘一日総行動に取り組んでいます。他方で昨日大阪府の知事選挙が公示されて4月下旬まで続く統一地方選挙が始まり、大阪の小・中・高校の公教育の危機的な現状も、その大きな争点になっています。
〇 大阪市は特に、全国と大阪府以上に突出して、3代の「維新」市長が独立行政委員会の教育委員会に政治介入を続け、公教育への企業の導入と民営化を強行してきました。その結果、子どもたちがテスト漬けにされて不登校が激増し、他方で教職員も、トップダウンの労務管理と超過労勤務にさらされて病休者が激増し、教員採用試験受験者や講師希望者から大阪での就職を避けられる状態に陥っています。
  今年3月1日に大阪市教育委員会が公表した集計結果では、教諭(正規任用)の育休・産休・病休者等の代替の講師(非正規任用)が、全市の小学校数が281校の中で、欠員(不配置)が71人に上っています。4分の1以上の割合の学校で「先生がいない」現状で、その穴は他の教員が臨時の「兼務」で走り回り、過労から病休に追い込まれる悪循環が続いています。
〇 教職員が長時間労働(不払い残業)のブラック職場なことはマスコミ報道でも知られてきました。その根本的な解決のために正規任用の教職員の増員は必須ですが、「ブラック職場」のもう一つの大きな原因は、権力的な労務管理とパワーハラスメントの蔓延のために、教職員どうしが相談できる関係(各学校での教員の集団)が崩壊していることです。その公教育の公共性を解体し、公立学校の民営化を、全国の先頭で強行してきたのが「大阪維新」の首長行政です。
〇 不登校、いじめ、子どもの自死、等、大阪の公教育は危機の限界を超えています。大阪の公教育の解体と民営化を止めて、教育政策の大転換が必要です。
教職員が、健康に、余裕をもって、相談し協力して、眼の前の子どものためにこそ仕事ができるように、特に教職員の労働環境と労務管理について、以下の改革を要請します。

[要請内容]

1、 ILO・ユネスコ「教員の地位に関する勧告」(1966年)と、同専門委員会(CEART)の日本政府に対する第14回勧告(’22年6月、なお文科省から大阪市教委にも’22年11月に通知済)を、教育長から大阪市教育委員の全員と市長に周知し、尊重させること。
([要請理由]  CEART第14回勧告は、大阪市の教育行政に対する勧告を含んでい ます。)
2、 教職員の人事考課制度は、年間の数値目標の達成を基本にする現行制度は廃止し、「地方公務員法」に基づく人事評価制度は、「教員の地位勧告」63項を踏まえた、教職員を励まし教職員どうしの協力を促進する制度に改変すること。
([要請理由]  学校教育での教職員の労働は子ども(人間)の成長が目的で、そのためには長期の、多面的な人間関係、という条件の保障が絶対に必要です。府教委以上に大阪市が特に強調する、この1年間の、教職員個人の、数値目標の達成で評価し給与反映する現制度は、子どもに対する違う指導方法・意見を話し合える教職員の関係を破壊しました。それが教職員間のパワーハラスメントの蔓延を生み、子どもの「学校が楽しくない」原因に直結しています。
また全市の全校長約400名も、教育長の責任の元で毎年5段階に査定され、給与反映されています。これが学校の運営・管理責任者としての校長を委縮させ、一部の保護者の無理難題を説得せず受け入れる、教職員間のパワハラ問題から逃げて放置する、等のその場凌ぎの「事なかれ」校長が、大阪市では蔓延してきています。大阪市の公教育の崩壊の象徴が「校長の崩壊」(管理職責任の放棄)、といえる現状です。)
3、 府とは独自に、大阪市教委だけが導入している「主務教諭」制度(「教諭」との給与差別)を廃止すること。
([要請理由]  制度導入時に「主務教諭」を希望した大多数の者は発令されました。現状では、発令されなかった者と応募資格条件で除外された者が「37歳で昇給停止」という、少数者への給与差別の意味しかないので、直ちに廃止すべきです。)
4、 「指導力不足」教員対象の「ステップアップ研修制度」の開始以降の経過を全面的に検証し、現場復帰を目的にするという掲げている目的と、結果の実態が全く違っている原因を明らかにした上で、現制度を廃止し、教員が子どもや保護者と直接話し合いその実態を受け止めて学んでいける、在籍学校での「オン・ザ・ジョブ」研修を基本にした制度に改変すること。
([要請理由]  この制度開始以降の結果は、対象教員の大多数が、「分限免職」期限前の「自主退職」で、現場復帰を目的とする制度としては、すでに破綻しています。
      また実態としては、管理職の(内容を問わずの)トップダウンに従わない者を、校長の判断(恣意的なリストアップ)で免職に追いやる、人権侵害の制度になっています。
      「教育公務員特例法」第25条の研修制度は、「教員の地位勧告」67・68項を踏まえた内容に変えるべきです。)
5、 卒業式・入学式での、教職員への国歌「君が代」の起立・斉唱(子どもへの率先・垂範)の教育長「職務命令」通知を、発出しないこと。
([要請理由]  府の同「通知」とは独自に、大阪市教委は特に、子どもへの指導と率先・垂範を明記しています。これらは日本も加盟する国際人権法の違反です。’22年6月のCEART勧告と、’22年11月の国際人権規約委員会勧告はともに、大阪市の現状に対して、改善すべきだと厳しく指摘しています。)
6、 「労働基準法」違反状態の教職員の長時間労働を根本的に解決し、教職員が余裕をもって子どものために働けるように、正規任用の教職員の増員を国に要請を強めるとともに、大阪市独自予算でも措置すること。
([要請理由]  岸田内閣は「軍事費の2倍化」を最優先し、学校教育を始めとする公共 分野の予算の削減を強行しています。その中で、国だけに頼らずに、大阪市の独自財政でも増員のための施策が問われています。)
以上です。

 

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