デモ不当解雇は許さない残業代を支払え福祉・医療職場分会・支部の取り組み

神明会は分会代表の雇止めを撤回せよ!

医療法人神明会・介護福祉施設、老健ラ・アケソニアで不当な雇止め

医療法人神明会は、大阪府箕面市にあります。神明会・理事長は、労働組合なかまユニオンの分会で、老健施設ラ・アケソニア分会代表である、渋谷さんを65歳で雇止めにしました。本人は継続雇用を申し入れていました。神明会のグループ施設では、65歳を超えて働く介護士職員が何人も居ます。明らかに、労働組合を嫌悪した、労組つぶしです。この不当な雇止めに対し、抗議のデモ、理事長へのハガキ(渋谷さんの復職を求めるハガキ)を送付、朝の就労要求スタンディング活動、残業代請求裁判などを、行っています。

団体交渉で示された雇止め理由はこじつけ(人手不足承知の解雇)

団体交渉において、雇止めの理由が示されましたが、その内容は、

  • 今年1月の事故報告書提出が4日後であったこと。部下が、入浴の温度を確認せず。
  • 昨年8月アルコールチェックがされていなかったことが挙げられました。

これらは、雇い止めの理由になりません。

①は、今年3月デイケアリーダー降格辞令の「理由」とされた内容です。これは、降格辞令が撤回され、デイケアリーダー継続となっていることから雇止めの理由にはなりません。業務に何ら支障は生じていません。

②は、昨年8月以降、チェック漏れはありません。

 総合的判断の内容を迫られて苦し紛れに出してきたものであり、組合つぶしの狙いを覆い隠すものです。(写真は団体交渉の後の様子)

分会代表の雇止め撤回を求める闘いのポイント【①団体交渉】

《局面:団体交渉のポイント》

・雇止めの理由は「総合的判断」とされ、その内容を追及しています。

具体的には、「事故報告の遅れ」を「理由」としている。しかし、デイケア降格攻撃以前の問題で、降格撤回により解決されていると追及すると、理事長代理弁護士は「子供じゃあるまいし、そんな簡単な問題ではない。」「報告能力が無い」と言い切った。根拠を示せないが故の弱さの露呈と言える。

★団体交渉の追及点

  • 「事故報告の能力がない」とする根拠を以下との関係において示すこと。

・事故当事者となった職員への事故報告書の指導を渋谷が行い事故報告書は提出され承認されている。

・渋谷による箕面市への事故報告書が法人内で承認され法人名で提出されている。

【以上との関係で「事故報告能力がない」とは何を指すのかを示すこと。】

  • 2024年4月以降 A氏の事故対応において施設内報告について発生当初の報告も含めて問題がないことが、事故報告の改善根拠にならない根拠を示すこと。
  • 事故報告能力以外の総合的判断の内容を示すこと。
  • 雇止めを決定した神明会内における会議機関名と構成員名を明らかにし、議事録を示すこと。
  • これらを求めつつ、理事長が団体交渉に出席することを求める。

分会代表の雇止め撤回を求める闘いのポイント②組合つぶしとの闘い

 【組合つぶしとの闘い】

  • 雇止めの狙いはラ・アケソニア分会をつぶすことです。
  • こじつけた理由をつくり、雇止めで職場から排除するのは、渋谷が分会代表だからです。代表を排除すれば分会を弱体化できると考えています。これは神明会が組合を忌避するこれまでの姿勢にみられるものです。
  • 神明会(印藤クリニック)による組合つぶしは、2023年1月不払い残業代請求提訴の頃に顕著になりました。組合員の業務中の面談時に施設長代理が「組合はやめちゃったらいいのよ」「組合を辞めるのなら相談に乗る」などの発言がありました。更に、3名~5名の上司による個別面談による退職誘導がされ、神明会が組合員をやめさせようとしていることが明らかでした。
  • そして、2023年1月、就業規則に「上司に反抗しないこと」との一文を入れようとしました。多くの反対の声で「白紙撤回」されました。しかし、神明会のこの姿勢は、職員に対して「上司を批判する職員はいらない」とする圧力となりました。
  •  組合つぶしを意図した処遇は、不当労働行為として労働委員会など公的機関からの救済命令などにより改善が求められます。また、人手不足による利用者へのしわ寄せを承知の上で雇止めをすることへの批判の声が地域住民をはじめとした広範な仲間への広がりにより神明会への圧力となり改善を勝ち取れると思います。

介護・リハビリの現場で

【送迎】…送迎車6台で利用者約30名の送迎を行います。人員不足により副施設長やリハビリ職員が運転や添乗を行わざるを得なくなっています。渋谷分会代表は運転と添乗を行っていました。雇止めにする理由がありません。

【介護】…人員不足の影響で業務変更され、午前のお風呂が行えず、利用者が望む時間帯での入浴が出来なくなりました。転倒などのリスクがあっても見守りが困難になることもあります。人手不足の影響が利用者にしわ寄せがおよんでいることは深刻な問題です。

  医療法人神明会は、4か所のクリニックと12か所の介護老人保健施設・グループホーム・老人ホーム・通所リハビリ施設等介護施設、保育所等を展開するグループで、全体で700名の労働者が働いています。介護老人保健施設ラ・アケソニア(大阪府箕面(みのお)市など)は、その中核ともいえる施設で、130人の労働者が働いています。なかまユニオン ラ・アケソニア分会は2021年6月、良心的な介護の責任者を嫌悪した管理職が圧迫面接で退職に追い込んだ事件をきっかけに結成されました。

不当な雇止めを撤回させるデモを行っています!

 神明会ラ・アケソニア分会では、分会代表の不当な雇止めを撤回させるため、代表・介護施設職員・なかまユニオンの組合員のみんなで、デモ行進を行っています。今まで計2回のデモが行われ、次回:第3回目が12月8日に行われます。《第1回目は80人、第2回目は40人のデモ参加者》が集まりました。

 箕面萱野駅近くの木戸ヶ池緑地から、理事長の経営する病院、神明会本社をぐるりと回り、歩きます。「人手不足で職員も利用者も困っているぞ」「理事長は団体交渉に出てこい」と、みんなでコールしています。地域住民の方の関心も高く、チラシの受け取りも良く、注目を集めます。地域の住民と共に神明会へ声をぶつけることが大きな力になります。

残業代請求裁判が並行する、ラ・アケソニア分会の争議

【神明会ラ・アケソニア分会残業代請求裁判】

 2023年1月18日、なかまユニオン神明会ラ・アケソニア分会が、医療法人神明会に対して未払い残業代6千万円余りの支払いを求める訴訟を大阪地裁に起こしました。その裁判も次回で第11回目となります。

【労働環境の改善を目指して】

 医療法人神明会は、4か所のクリニックと12か所の介護老人保健施設・グループホーム・老人ホーム・通所リハビリ施設等介護施設、保育所等を展開するグループで、全体で700名の労働者が働いています。介護老人保健施設ラ・アケソニア(大阪府箕面(みのお)市など)は、その中核ともいえる施設で、130人の労働者が働いています。なかまユニオン ラ・アケソニア分会は2021年6月、良心的な施設責任者を嫌悪した管理職が圧迫面接で退職に追い込んだ事件をきっかけに結成されました。

 ラ・アケソニアの施設は古く労働環境も悪い上に、利用者の命を守る職種であるにもかかわらず、介護労働者の賃金はほとんど最低賃金から始まる低賃金。重い責任にもかかわらず、無いに等しい役職手当。さらに、夜勤前の「前残業」(夜勤前の準備が約1時間前から行われていました。)や、突発的な事件に対応するための予定外の残業、着替えなど仕事の準備のための時間の賃金が支払われず、15分未満の残業はカットされて、膨大なサービス労働が存在していました。当然の結果として、職員の辞職が相次いで慢性的な人手不足の状態でした。

 ラ・アケソニア分会は、労働環境の改善と労働条件の向上も要求し、団体交渉で交渉してきました。法人側は、労働時間を1分単位での管理に改善するのと引き換えに、役職手当の改悪を行ないました。過去の不払い労働については「組合ができて職場改善に、お金がかかっている。払うということにならないから、裁判で請求してもらうしかない」と、団交に参加している弁護士は居直りとも取れる発言をしていました。

【有効なサービス残業代防止制度の獲得を目指して】

 ラ・アケソニアでは膨大なサービス労働が存在していました。それは、タイム打刻による実際の出退勤時間と勤怠届に記載される労働時間との大幅な乖離として現れていました。

労働時間である制服への更衣時間も業務外とされてきました。業務終了間際の失禁などへの対応による残業やパソコンへの情報打ち込みなど通常業務の延長がサービスとなり黙認されてきました。原因は、労働時間の客観的な証拠であるタイム打刻に基づく賃金計算が行われていないことです。自己申告による労働時間は、職場慣習により残業時間が記録されないことが横行していました。私たちは、この裁判を通じて、実際のタイム打刻による賃金計算を行うことを求めています。

 神明会は、「今後協議する」との姿勢をしめしました。しかし、これでは、実際にタイム打刻による賃金計算がされる保証がありません。今後、裁判を続ける中で有効なサービス残業を防止する制度を勝ち取っていきたいと思います。

朝のスタンディング活動(就労闘争)の様子

 ラ・アケソニア分会では、就労闘争を実施しています。毎週㈪~㈯朝7時30分より、箕面萱野駅北改札口集合、分会代表を中心に有志が集まっています。

第1回(10月15日):印藤クリニック前スタンディング 

・10月15日からデイケア利用者の迎え入れ時の手振りを行い、利用者からの分会代表の復帰要望へ繋げる試みを実施しています。

・10月16日 宮本副施設長が「部外者は施設敷地内に入るな」との攻撃が始まりました。

組合(分会)の要求行動であり、部外者ではない。当事者であることを主張しています。(ピンポンは建物に付いて、正門から入らないと押せない)

【行動の指針】

  • (月)~(土)就労闘争と 職員へのニュース配布の継続を行う
  • 印藤クリニック前スタンディングを実施
  • デイケア・他部署の職員からの渋谷復帰要求の声を拡げる
  • 利用者・家族からの渋谷復帰の要求を拡げる

 【復帰を支持する声を形にする方法を検討する】

  • 理事長・クリニック周辺へのポスティングを行う
  • 団体交渉を継続する
  • 周辺地域・利用者と施設職員との交流
  • 理事長宛ての抗議ハガキを集め送付 etc.

朝のスタンディング活動により、周辺住民や利用者との交流が増え、職員との会話も広がっています。さらに、復職を求める抗議ハガキを、現場で働く職員も書いてくれるなど、様々な反応があります。

暖かいご支援をよろしくお願いいたします

 神明会ラ・アケソニア分会では、より良い介護が出来るように、と日々奮闘しています。これからも、団体交渉・残業代請求裁判・施設体制の改善・朝の就労闘争など、応援して頂けると幸いです。

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